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善とは感情である

作者: shinwood

正しさには科学的正しさと道徳的正しさがあります。科学的正しさとは、例えば何度やっても同じ結果となるように矛盾がなく再現性があると言うことです。しかし科学では「何故、人を殺してはいけないのか」など人間の心の働きによる行為、行動は解明できません。人間の心による行動の正しさは道徳的正しさで考えます。


科学的正しさと道徳的正しさは両方とも“正しい”という文字を使っていますが、科学的正しさと道徳的正しさはまったく別のものです。

科学的正しさは理性による論理的正しさですが、道徳的正しさは良心、本能から来る正しさであり、それは“感情”なのです。

科学的正しさは何か一つでも矛盾があれば真とはなりませんので、科学的正しさの妥当性、根拠は論理的正しさです。しかし道徳的正しさの妥当性、根拠は何によるものかと言えば善の定義「種族保存、群れ保存」に合致しているかどうかなのです。


また、道徳的正しさと一言で言っていますが、これも実は二つに分かれます、それは良心、本能から来る正しさと人間が理性で決めた正しさ、ルール、規範です。それらは道徳的正しさと倫理的正しさと言います。道徳的正しさと倫理的正しさのどちらが「良心、本能から来るもの」とするのかは、いまだ意見が分かれるところですが、私は道徳的正しさが良心から来る正しさとし、理性で考えられた正しさ、規範を倫理的正しさとしています。


良心、本能から来る善なる行為は困っている人を助けてあげるなどの思いやりを言います。そしてこの善なる行為には何らかの感動があります。

そして人間が理性で決めた正しいこと、規範は税金を納める、勉強する、法律を守るなどの正しい行為をいいます。しかし理性で決めた正しさ、規範にはあまり感動はありません。

勿論、理性で考えられた規範も本能から来る正しさが基になって決められていますので、本当の善なる行為とはやはり「良心、本能から来る正しさ、善さ」を言うのです。


私たちは正しいと言えば論理的なものを考えがちですが、道徳的正しさは基本的に“感情”なのです。生物たちが数十億年をかけて種族保存するために一番良いシステムとして作り上げたのが「私(自分)より公(群れ)を優先する行為」だと思うのです。種族保存に合致する行為に対しては快い脳内ホルモンが出て、正しいという感情を醸し出しているのだと思います。怒りや悲しみや愛情、幸福感など諸々な感情もいろいろな種類の脳内ホルモンによって作り出されるものでしょう。これらもすべて種族保存の為に作られた感情なのです。

道徳的正しさ、つまり善が感情なのだというのは、なかなか納得しづらいでしょうが、まだ理性のない生後数か月の赤ちゃんでも善悪は分かっていると言う研究もあるのです。これから考えても善悪は理性で考えられたものではなく本能であると言うことができるでしょう。


私たちは、困った人を助けている行為を見れば、何か暖かいものを感じます。そしてそれは「正しいな~」と言うよりも「ああ、善いな~」という感情でしょう。ですから「正しいとは何ですか?」と問われても私たちはなかなか「みんなの為」と答えることが出来ないのではないでしょうか。そうは言っても私たちはみんなの為にやることは「正しいことである」と本能的に分かっていて、それは間違いないことだと信じています。


道徳的正しさ、つまり善は感情であり、それは「私より公を優先する行為、つまり思いやり」に対して生ずる感情なのです。ゆえに正しい行為、つまり善=「私より公を優先する行為」略して「思いやり、公の為」となるのです。

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