一話
思えば、小学生のころから同じようなことばかりしていた気がする。
先生に渡されたプリントが机のなかに数週間、いや数ヵ月。
そこには授業参観、家庭訪問、その他大切なプリントがジャガイモのごとく丸まっている。
畑から夏休み前に収穫して、ずっと置いたままの教科書と共によろけながら持ち帰る。
先生に出された宿題を、帰って直ぐやろう、友達と遊んでからやろう、ゲームをしたら、ご飯を食べたら、歯を磨いたら、お風呂に入ったら、明日の朝早起きして。
そして、遅刻ギリギリに起きて、未提出。それがたまってゆき、まとめてやろうとしてももう手遅れ。先生に叱られ、友達にあきれられる。
家庭訪問でそれを聞かされた親は「またか……」と言うと共に、顔を真っ赤にして怒る。
頭では、理屈ではわかっているのだ、やらなければいけないことなど。
しかし、其れができない。あとから思うと不思議でしょうがない。不思議に思いつつ、また同じことを繰り返す。宿題に関すればかれこれ小学校一年生から大学二年生に至るまでの計8年ほど同じことをやっている。
……プリントをためなくなったのは成長したからではない。単に自分のジャガイモ畑がなくなっただけだ。
今、その役目は役目は通学用のリュックにとって変わられた。
そんなことをするようなやつな上に、空気も読めないとくれば格好のいじめの的である