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The Resistance of Tochigi  作者: 宇曽川 嘘
第2章
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第4話:純白の陽炎

もう梅雨が明けたのね。夏はもうすぐそこにあるんだわーーー。


少し伸びた前髪を払い、彼女は青い空を見上げた。

リニアモーターの原理で走るNeo-Ryo-Moを降りて、彼女はトチギ駅前の街道を歩いていた。燻んだ橙色の車体に緑色の直線。どこかレトロスペクティブな乗り物は、トチギ臨時政府の最新技術によって作られている。「両毛線」とかいう「電車」をモデルにしているらしい。彼女は「電車」を実際に見たことはなかった。


街道は北に進むと一つ目の信号でY字に別れる。またそこが男女の別れともいうことができきよう。Y字路の右に進めば栃木第三高校が、左に進めば栃木第三女子高があるのだ。もちろんのこと男子が左に進むことは許されないし、女子もまた然りである。トチギ臨時政府が派遣する私服警察が、公立高校生の「不健全行為」がないか常に巡回しているのだ。


彼女はY字路の分岐点にたどり着くと、立ち止まり額の汗を拭った。純白の制服から、透き通るような透明な肌が覗いていた。彼女の周りだけは清涼な風が吹き渡り、気温も低いように感じられる。


彼らの夏も始まるのねーーー。

公立高校生の登下校路には場違いな空気感をもって、彼女はY字路を右に進む。彼らの学校では掃除の時間かしら、などと意味のないことを考えていた。

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