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それは確かに恋だった。  作者: シロ
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~君との関係〜

連載が息詰まったので、気晴らしに書きました。

いつか、書いてみたいと思っていたものが書けたと思います。

あの日、俺は君に好きだと伝えた。

君がその時、俺に言った言葉は今でも覚えてる。忘れることなんてできないくらい、ショックだった。

でも、その時の君の顔は今まで見たことない程に、綺麗だった。



俺のクラスにはビッチがいる。超絶の。

男子は性欲のために、そいつにHを頼む。1万円で。

だが、そいつには友達がいない。笑わない。怒らない。泣かない。無表情。聞いた話によると、どんな時でも、絶対にキスだけはしないらしい。

俺はそいつが大嫌いだった。だから、男子がそいつにHを頼もうとしてる時には、止めに入った。大事な友達を汚したくなかったから。


そして、いつかの放課後。俺はそいつと居残りをしていた。日直だったから。そいつは無表情で俺に言った。


「そんなに私のことが嫌い?」


もちろん肯定した。事実だったから。だけど、そいつは無表情のまま続ける。


「1回、ヤってみよっか。」


全力で否定した。

しかし、なぜその時俺の頭の中にこんな疑問が浮かんだかは今でも分からない。今思えば、好奇心みたいなものだったと思う。


「なんで、いつも無表情なの?誰にでもヤらせるの?」


自分でも無神経だと思ったが、衝動を止められなかった。

俺はそいつの眉が一瞬動いたように見えた。ピクッと。


「そんなこと、初めて聞かれた。」


そいつはそう言うと、しばらく考え込んだ。

そして、無表情なまま言う。


「いつも無表情なのは、笑い方を忘れたから。誰にでもヤらせるようになったのは、強姦されて、何もかもどうでもよくなったから。笑い方を忘れたのは、強姦された時から。」


俺はその時返す言葉が見つからなかった。余りにもそいつが無表情過ぎて、冷酷で残酷なことを聞いてしまったと後悔したから。



俺は聞いてしまった責任感からか、その日から、そいつにHを頼もうとしてる人たちに本格的に止めに入った。知らない先輩。後輩。同級生と思われる男子。中でも、衝撃的だったのは、男性教諭からも頼まれていたということ。でも、それ以上に驚いたことは、そいつはそれをすべて受け入れること。相手がデブでも、不細工でも、教師でも、涼しい顔で受け入れる。

いつしか俺はそいつのボディーガード的存在になっていた。自然とそいつと話すことも多くなっていった。

そんなある日のことだった。


「話し相手になってくれてるお礼に、ご奉仕してあげる。」


彼女はニコリとも笑わずに言った。

その時、俺の中にある感情が芽生えた。芽生えたソレは怒りだった。俺は確かに怒っていた。

俺は怒りに身を任せ、彼女に言った。


「俺はお前の話し相手になってるつもりはねぇんだよ!確かに最初はお前のことが大ッ嫌いだったよ!誰にでもヤらせるとか有り得ないって。でも、あの日の放課後の話聞いたら、ほっとく訳にはいかねぇだろ!」


それと、俺が頭にきた理由はもう一つあった。


「お前は自分を大事にしろよ!そうやっていつも涼しい顔で、何でも受け入れて!頼まれてる時、お前、手が震えてんだよ!いつも!だから、止めに入ってたんだよ!なのに、なんだよ!ご奉仕って!俺はお前とヤりたくてこんなことしてんじゃねぇんだよ!馬鹿にすんじゃねぇ!」


すべてを吐き出した後、俺は息を切らしていた。そして、彼女は涙を流していた。その時、俺は彼女が泣いているのを初めて見た。不覚にも、美しいと思った。彼女が泣いているのをただ見ていることが出来なくて、気付くと、抱きしめていた。彼女は声を出して泣いた。まるで、子供のように。


泣き止んだ後、彼女は俺にすべてを話してくれた。

強姦されたのは、中学生の頃。親が家で父親とは別の人とヤってるのを見て、深夜に家を飛び出したらしい。人気のない場所を歩いていたら、知らないおじさんに腕をつかまれ、目隠しをされ、手を拘束され、そのまま、後はもう、そのおじさんの思うがままだったと彼女は言った。その話は両親にもしていないらしく、絶対に秘密と言って、彼女は俺に笑って見せた。


だが、それは彼女がいなくなる一ヶ月前のことだった。



予定では2話ぐらいで、終わりなので、あと1話です。

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