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殺人病棟  作者: 死蘭
殺人病棟 Ⅰ
8/30

(7)

ーーー私は一瞬、何が起こったのか分からなかった。

確かに私は男に発砲した。男の銃が弾切れになったから、すぐに殺せると思ったからだ。そこまではいい。

       ーだけどなぜ?ー

私の頬には赤い線が出来ていた。そこから血が一筋流れる。後ろには私の頬をかすった弾が壁にめり込んでいる。

「弾切れになれば俺は弾を込めるしかない。その隙に発砲すれば俺を殺せる…とでも思ったか?」

男は鼻で笑う。右手と左手にはそれぞれ別の銃が握られている。

しまった、と私は思った。あれは罠だったのだ。私をおびき寄せるための罠に私はまんまとはまったのだ。

「お前は頭がいい。訓練すれば俺よりも遥かに凌駕する頭脳の持ち主になっただろう…だが、俺の方が一枚上手だったようだな」

男は私の方に銃を向ける。あのまま彼がトリガーを引けば、私の額に確実に当たることだろう。

「ま、せいぜい自分のした事を後悔するんだな」私の頭の中は真っ白になった。ただ、終わったなということだけが直感で分かった。

「じゃあな、糞ガキ」

男がトリガーをゆっくりと引く。

死ぬ…そう思った時だった。

「!…いっ…」

突然、男が体勢を崩した。と、同時に何かが刺さる音が聞こえる。

「ちっ…いてぇなッ」

男が後ろを振り返る。私は無意識に立ち上がりながら男に向かって走り出す。

「?!…しまっ…」

男が私の方を再び振り返り、発砲しようとするが、一歩遅かった。

ガンッ、という鈍い音が病室内に響き渡った。




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