プロローグ~始まりの少女は404号室で誕生す~
殺人病棟はいつ始まったのだろうか………
そう思う人は少なくないだろう。しかし、誰一人として知らないのだ。ここの始まりを。
だが、誰の手によってここが最悪のものとなったのかは有名な話。
そもそも殺人病棟は死後の世界?それとも現実で起こっている出来事?
その謎は、またいつか別の話で。
今回は殺人病棟が悲劇へと歩き出す一歩手前のお話をしましょうか。
でも、その前にあなたには一人の少女の物語を聞かせましょうか。え?その話をしてどうするのかって?
まぁまぁ、そう言わないで。大丈夫、ちゃんと話しますから。少女の物語を語ったらね。
でも、その話をしたら大体は殺人病棟の話に繋がると思うよ。だってその少女は殺人病棟の悲劇の引き金を引く子なんだから。ね?繋がってるだろ?
さて、それじゃあそろそろ話そうか。平気だよ。すぐ終わる話だから。
何事も始まりはつきものだ。だから、物語は紡がれる。
始まりがあるからこそ物語は描かれる。
それはここでも同じこと。
昔昔、一人の少女が重い病気にかかり、ある病院に入院していました。彼女は病気は不治の病で、誰も治すことは叶いませんでした。
このまま少女は死んでしまうだろうと、誰もが思っていました。
しかし、ある奇跡が起こりました。少女の病気がみるみるうちによくなっていきました。
少女は喜び、彼女の家族はうれしさの余り泣き始め、医者は驚きました。
そして、少女は病院を退院できるというとこまで回復しました。
でも、世の中そうそううまくいきません。
少女の身に、ある悲劇が起きたのですーーー
登場人物紹介
三宅 香織
明るくみんなに好かれる7歳の少女。
三宅 春
香織の母親。
中富
香織のお気に入り看護師。
おっとりとしていて優しい。
ドクロ
物静かでいつもフードを被っている年齢不詳の青年。
ラン
明るくて変わり者の女性。
ドクロの僕なのか彼のことをいつも「ご主人」と呼んでいる。