エピローグ
「殺人病棟 Ⅰ」 完結!
時計の針が真夜中の十二時を指し示す。それと同時に重たい鐘が病院内に響き渡る。
辺りは紫色のような霧と暗闇が支配し、どこからか叫び声が聞こえる。
404号室から少し離れたところの廊下では、一人の少女が細長い包丁を赤く染めて立っている。彼女の足下には首を切り落とされた体が横たわっていた。それを見下ろしている少女の顔には赤い液体がへばりつき、口は気味が悪いほどの三日月形をしていた。
「あーあ、もう死んじゃったの?つまーんなーいのー、アッハハハハ!」
少女は狂った笑い声をあげ、包丁を持ったまま次の獲物を探しにいく。
私はどうして人を殺したの?何の罪もない人なのに…だって仕方ないじゃない。何かが私の体を動かしているんだから。止めたくても仕方ない…だってその方が楽だから。
どこからかアナウンスが流れてくる。可愛らしい女の子の声だった。
“これから殺し合い『バトルロイヤル』を開催致します!皆さん、良きこの夜で楽しく可笑しく殺し合いましょう♪”
「ご主人ご主人♪お疲れさまで~す!」
病院のロビーに似た場所で明るい声が響く。
髪を一本に束ね、目を紙のような白いもので隠している女性から出た言葉に、彼女の目の前にいる人物は何も言わずに歩き続ける。
「どうしたんですかー?浮かない顔してますけどー?」
女性は隣で歩きながら目の前の人物の顔を覗き込む。
「あ、分かりました!まーた香織様のこと考えていたんですね!全くご主人は心配性ですねぇ。大丈夫ですよー。だってもう、香織様は香織様じゃないんですからー♪」
女性はニッコリと笑って目の前の人物に言う。
目の前の人物はどこか浮かない顔をしながら、
「……あぁ、そうだな」
一言低い声でそういってまた黙り込む。しかし、フードの男はまだ納得していない様子だった。
男は考えていた…自分の犯した罪のことを。自分がした過ちを。
ただ自分はここを守るためにやったのだ。だからあいつに手をかした。自分はここのために香織を…
そうやって男は自分に言い聞かせるが、何度そう言っても、どこかで心の声が男に叫ぶ。
あれはやってはいけなかったのだ、と。
皆さん、こんにちは。
「殺人病棟 Ⅰ」いかがでしたか?
とりあえず、殺人病棟はここで一旦終わりとなります。
ええと次回予告というか、次の殺人病棟の題名を言わせていただくと「殺人病棟ー始まりの悲劇ー」という題でいかせていただきます。
よければ皆さん、これからも文才のない私ですが、宜しくお願いします!
それでは、また。