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始まり 1

二度と開くはずのない片目を開けたとき、俺の目に飛び込んできたのはまがまがしい気を放つ巨大な剣の先だった。

俺の体は脳が危険信号を送り出す前に動いていた。まず、俺の頭を突き抜こうとする剣先の威力をそのまま地面に向け叩き落とすようにし、そのままその剣の柄を握る手を逆方向にひねり、そして剣の持ち主の背中に回り込み首元に手刀を当てることで相手の無力化に成功した。


「貴様!何者だ!答えろ!!勇者の新手の仲間か!?」


俺の腕の中でもがきながら、剣の持ち主は怒鳴り散らした。


「勇者とかいう奴は知らんが、その問いに対して答えるのはよっぽどの屑だけだ。」


俺は言い終わると同時に剣の持ち主を気絶させた。気絶しその場に崩れた剣の持ち主が俺の視界からいなくなることにより、俺は初めて周りの様子を把握することができた。

まず、ここが室内であるということが分かった、それも城か何かの王座の間だと推測できる。

そして、最初に俺の立っていた場所のすぐ後ろには、十代と見て取れ、おそらく街中で見かければ若いころの俺なら声をかけずにはいられないだろうと思えるほどの美少女が立っていた。周りには気絶している剣の持ち主と先ほどまで戦闘していたことを想像させる傷跡と遠いところでうつむきで動かない人影が見て取れた。かすかに上下するところを見るとまだ息があるようだ。


「お、おまえは?なぜ魔王を!?」


俺が周りの状況を完璧に把握し終えたところでおそらく剣の標的であったであろう美少女が程よく日に焼けた手で剣を握りしめて今にも切りかかってきそうな様子で俺に話しかけてきた。


「おいおい、やっと死ねたと思って目を閉じて、二度と開かないはずの目が開いたとたんに連続で剣を向けられるなんて、俺の人生はつくづく血と戦いからは切り離せないんだな。

嬢ちゃんよぉ、嬢ちゃんの質問に答える前にちと質問していいかい?

もちろん、嬢ちゃんへの質問が終わった後なら、いくらでも嬢ちゃんの質問に答えてやるからよ。」


「もし、、、もしも、私が嫌だと言ったら?」


「そんときゃぁ、後ろのお仲間さんを盾にどこえなりと。」


「!!!!、、、、そんなこと私が許すとでも?」


「フフフ、嬢ちゃん今にも逃げたいって体は正直だぜ?

膝なんかわらわせちまってよぉ?」


「んな!!!怖がってなんかい!?」


俺は少女がヤキになり身を乗り出した瞬間を見逃さなかった。瞬時に乗り出してきた足と引っ掛けてうつ伏せに転ばせると、そのまま手を後ろで抑えた。


「んな?これで分かったろ?」


俺がそういうと少女はうめき声をあげて、俺の条件を飲んだ。


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