第一話 誘い
ガタンゴトン……ガタンゴトン……
「まもなく、終点、ひのき台~ひのき台~、ご乗車有難うございました。この電車は最終電車です。本日も双神電鉄をご利用いただきまして有難うございました」
ガッタン……ゴットン……プシューー…………
「ふぅ~、今日の運転おわった~!!やっぱり終電操業は眠くてかったるいなぁ~」
彼は六合原速人、20歳、関東地方南部に路線を持つ双神電鉄の運転士だ。普通なら運転士になるためには駅員をしばらく務めた後、車掌をしばらく務めなければならない(最低でも五年はかかる)のだが入社して一日目に駅員、二日目には車掌、そして四日目に運転士になった。いわゆる天才タイプだ。
「六合原。終電操業おつかれさん」
彼は、清川博。58歳。双神電鉄の運転士の中で一番の年長者で運転士たちのリーダー的な存在だ。
「あ、清川さん。お疲れ様です。あれ、でも清川さん今日終電操業じゃないですよね?どうしたんですか、こんな時間まで」
「お前に話があってな。待ってたんだ。TBTって知ってるか?」
「あぁ、あの何ヶ月か前に国鉄に正式な競技として認められたって言う列車のレースの事ですよね?それがどうしたんですか?」
「今度の土曜日に双神電鉄本線を使って社内試合をしようという事になったんだが…」
「ぜひ、俺も参加させてください!!!」
「おぉ、すごいやる気だな。その言葉を待ってたぞ」
「はい!ニュースで見てからすごく気になっていたんですよ」
「細かい説明は双神電鉄のホームページに載せておいたからよく見ておいてくれ。じゃあ今日はもう、遅いから俺はもう帰るよ」
「はい、お疲れ様でした。……さて、俺も帰るとするか」




