神サイト
1作目です
そのサイトは、
検索では絶対に出てこない。
知ってるやつだけが、
URLを直接打ち込む。
画面は真っ白。
広告もロゴもない。
中央に、たった一文。
「あなたが“本当に知りたいこと”を入力してください」
軽い気持ちで、自分の名前を入れた。
エンターを押した瞬間、画面が一度だけ点滅する。
次に出た文字を見て、
全身の血が引いた。
「あなたが最後に嘘をついたのは
3日前の23時41分」
時間まで、正確だった。
しかもその嘘は、誰にもバレていないはずのやつ。
下に、続きが表示される。
「この嘘が原因で、
3人の人生が静かにズレ始めています」
冗談だと思いたかった。
でも、指が震えてる時点で無理だった。
さらに下。
「続きを表示しますか?」
【はい】
【やめる】
やめればよかった。
でも人間は、自分の闇ほど見たくなる。
【はい】を押した。
⸻
画面が切り替わり、
今度は箇条書きが並ぶ。
・半年後、切れる人間関係
・1年後、後悔している選択
・2年後、「あの時戻れたら」と思う夜
どれも、
“起こりそう”じゃない。
もう決まっている文章だった。
最後に、赤文字で一文。
「これらは“回避可能な未来”ではありません」
意味が分からずスクロールすると、
さらに続きがあった。
「あなたがこのページを開いた時点で
未来は確定しました」
頭が真っ白になった。
慌ててブラウザを閉じる。
履歴を確認する。
——何も残っていない。
URLも、スクショも、存在しない。
夢だったと思うことにした。
⸻
その日の夜。
書かれていた通りの人物から電話がかかってきた。
翌週。
書かれていた通りの縁が切れた。
半年後。
画面にあった文章と、
同じ言葉を口にしている自分に気づいた。
「あの時、やめておけばよかった」
その瞬間、理解した。
あのサイトは、
未来を予言してるんじゃない。
知った人間を、
そこに向かわせている。
そして今も、
世界のどこかであの画面は光っている。
「あなたが“本当に知りたいこと”を
入力してください」
——次に開くのは、
まだ自分は特別じゃないと思っている誰かだ。




