3.不自由との旅
さて、まずはその奴隷の話をしようか
これはそいつと出会うまでの数刻、巻き戻る
________________________
その日俺はある意味イカれていた
俺が会いたがっている、助けたがっているやつらは
こういうのが大嫌いって知っていた
それを知っていながらそれ以外の道もあったのに
俺は奴隷の販売がされていると噂の郊外までやってきた
噂が本当か確かめる時間も方法もなかった
しかし、嬉しい事に噂は正しかった
本来なら悲しいことだろうと思うだろうが
そんなことどうでもよかったと思えた
その日はそれほど狂っていたのかもしれない
半信半疑の俺の前には確かに奴隷を売っている商人
そして、数は100を超えるであろう奴隷たちがいた
商人は口を開いた
檻の中にいる奴隷たち
商「要望はなんだい?おすすめの子を紹介しよう」
俺「戦闘がとびきりできるやつがいい」
商「それならいいのが最近入りましたよ」
そういうと商人は店の一番奥、銀色の髪をした少女の前で止まった
その時だ、俺の視界が突如として黒一色に染まる
今までの能力が発動した時の全てと比較して、一番大きく広がったことがわかった
俺の能力は色で感情を見る
そしてその色の大きさは感情の大きさに比例する
それだけの想いがあるのだろう
そして黒色が現すは憎悪
彼女の過去に何かあったのは明白だった
気づけばできていた静寂を切り裂くよう商人が話す
商「この子は、内乱で兵として、多くのものと戦いました、戦闘経験は十二分にあると言えるでしょう」
俺「値段はいくらだ?それによっては買えないかもな
何せ裕福ではないもので」
商「そうですね、失礼ながらあなたの所持金、いくらですか?」
俺「30万だな」
商「それでは25万でどうです」
俺「それ、定価か?」
商「おや、払えませんか?」
俺「いや、逆だな、全額とか言われるかと」
商「それでは取引成立ということで」
そうして俺が思っていたよりもあっさりと契約をし終わり、奴隷を手にした
一般人なら騙されたような取引だったことも知らずに
________________________
俺たちは郊外から移動し、この近くで経済の中心部になるだろう場所の近くまで移動した
俺「お前、名前は?」
少女「…」何も話さずに少女は首を横に振る
俺「どれくらい戦える?」
少女「…」少女は繰り返すように首を横にする
喋れない、おそらくは精神の類のもの
本来ならコミュニケーションすら取れないだろう
そう普通なら
俺「悪いけどお前の中、見せてもらうぞ」
そうして俺は心を読む
できるだけ表面だけを読み取るように
できるだけ、細心の注意をはらって
少女(何?中を見る?)
俺「ああ、俺は少し特異でな、心が読めるんだ」
少女(そう…なの?)
俺「そうだ、常に人の感情が色として知覚できる
そして集中すれば声や文字として詳細に理解することができる。だから悪いがもう一回さっきの質問に答えてくれないか。今度はわかるはずだ」
少女(名前はレイ、戦闘なら内乱で負け無し程度…)
俺「そうか、なら安心だな」
レイ(…何も聞かないの……喋らない理由)
俺「ま、相互不干渉とは言わないが深入りする気は無い、欲しいのは戦力だ」
レイ(戦力が欲しいなんて…何をする気なんです)
俺「…なんだっていいだろ、お前は俺に奴隷として買われただけだ、理由を答える義理はない」
レイ(それもそうですね)
俺「まぁ、少し答えるなら友達と会いたいんだ」
レイ(そうですか、まぁ今までの主よりはいい理由ですね)
俺「まぁそんなこんなでお前も旅に着いてきてもらうから、必要なものを買いに行くぞ」
レイ(わかりましたよ、どうせ拒否権ないでしょ)
俺「そういえばお前、奴隷にしちゃ饒舌だな」
レイ(話せたの久しぶりだったから、まだ会話の仕方思い出してる途中だから、あんま突っ込まないでよ)
そんなこんなで俺の身勝手な旅は本格的に動き出そうとしていた
主人公の能力
常時発動効果
→感情の視覚化
→色によって判別
任意発動効果
→心の文章化
→読む、聞くの二つに対応




