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紅の闇祓  作者: 青空ボーロ
第一章
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第七話「強者の責任」

教室で刀花と鹿之介はカマキリの禍霊と戦闘していた。


鹿之介の攻撃で討伐したかと思ったが、禍霊は生きていた。


「仕方ねぇ…本気だすぜ…。」


鹿之介と刀花の本気…そして禍霊との戦闘が激化していく。


その時、慧は体育館で鍛錬をしていた。


手の皮が剥けるまで鍛錬をする慧を一般人が侮辱する。


その侮辱に限界が来た慧はついに一般人に手を出してしまった。


それを見た蒼馬が止めに入るも、慧は止まらず、殴られる。


口の中に赤い塊ができ、吹き飛んだ。


それでも蒼馬ひけなかった。


「人より強く生まれたなら…!

弱きものを守る…!

これがあなたの"やるべきこと"だ…!

俺は"貴方の考え"を絶対に許さない!

そんなことをするなら…!禍断隊なんてやめえしまえ!」


その言葉が耳に入った慧はかつての恋人の死に際の言葉を思い出す。


「慧は真面目で優しいから…禍断隊はやめて…普通の男の子の幸せをつかんで…。」


慧は怒鳴った。


「黙れ…!!!」


だが蒼馬は引かない。そして2人の信念と意地のぶつかり合いが始まる。


慧は木刀を持ち、構える。


(こんなガキ…木刀でこのまま…いや…)


だが慧は木刀を捨てた。


(木刀を捨てた…!?どういうことだ…!?)


そして慧は拳を握り、再度構えを見せる。


(くる…!初動を見切――)


蒼馬が臨戦態勢に入る。


しかし気がつけば慧の拳が蒼馬の腹を貫いていた。


「ガッ…!」


「プロが動きの始めを簡単に読ませるわけがないだろう。」


蒼馬の胸の奥が砕けたみたいに痛い


(痛い…!息が詰まる…!でも…!)


「右腕が無くなったときよりはマシだ!」


蒼馬の左ストレートが慧に飛ぶも、慧はそれを掴む。


「遅い…!」


蒼馬はそれを引き抜こうとするが、びくともしない。


(左手が引き抜けない…!なんて力だ…!)


気がつけば蒼馬は宙に浮き、視界が上下に反転した。


(なんだ…!?何が起きた…!?)


その瞬間、力が抜けた。


重心を奪われ、天地が反転する。


――合気。


慧が黒瀬に何度も叩き込まれた、あの技だ。


「うわぁ!」


幼い慧はよく黒瀬にこの技でマットの上に叩きつけられていた。


「慧。合気くらい対応できないとだめじゃぞい!さあどんどんこい!」


黒瀬は豪快に笑いながら慧の特訓の相手をしていた。


そして慧は馬乗りになって、蒼馬を殴る。


「馬乗りになれば俺の勝ちだ。」


そのまま蒼馬の顔面を何度も殴った。


(痛い…!


――いや痛がってたら勝てない…!

どうする…!どうやってこの男に勝つ…!?)


その時、蒼馬の脳内に電光石火のように映像が流れる。


「終わりだな…次だ…。」


視界がチラつく。数秒先の“最悪”だけが、切り抜きみたいに見える——。


(なんだこれ…でも…ヒントだ…!俺が気絶したフリをすればこいつは攻撃をやめる…!)


そして蒼馬はあえて白目を剥き、気絶したフリをした。


「終わりだな…次だ…。」


慧は映像と同じ言葉を言い、一般人へ向き直る。


直後、蒼馬は立ち上がる。


「キャア!この男頭おかしい!子供守らないと!」


母親は悲鳴をあげた。


だが直後、立ち上がる蒼馬に気がつく。


(あれ…あの子…まだ気絶してない…!気絶したフリしたの…!?)


蒼馬は慧の後ろに立つ。


(いける…!後ろの男の子に気がついてない!やって!あの男を止めて!)


だが蒼馬はなんと叫んだ。


「氷室慧!今からお前を倒す!」


「何…!?」


慧は振り返る。


(あ、あの子…!わざわざ宣言した…!?)


蒼馬の拳が慧目掛けて飛ぶと同時に慧はそれを抑える。


慧がもう片方の拳を振り下ろそうとする。


しかしまたもや蒼馬の脳内に映像が流れる。


(この映像…次に殴られるのは…ここ…!)


なんと蒼馬は慧のその拳をつかんだ!


(何…!?拳が掴まれた…!?なぜ…!?)


そのまま蒼馬は足に力を込める。


「うおー!!!!」


蒼馬の渾身の膝蹴りが慧の腹にささった。


「がはっ…!」


慧は思わず、蒼馬の手を離した。


ここぞと言わんばかりに蒼馬は慧に拳をぶつける。


「おらぁ!」


2発…3発と蒼馬の魂の拳が慧を襲う。


「図に乗るなぁ!」


その中で慧の怒りの拳が蒼馬へ近づく。


直後、鈍い音を立て、蒼馬と慧の拳が噛み合った。


その瞬間、慧の脳裏に幼い記憶が宿った。


「慧。これはグータッチだ。」


そう。黒瀬とのグータッチだ。


「黒瀬さん…」


慧に僅かに隙ができる。


(よくわからないけど隙ができた!)


「うおー!」


慧は反応する。


(まずい…!防御!)


だが間に合わない!


そして蒼馬の右ストレートが飛ぶ!


無論、慧も反撃する。


(ならこっちも術式を使ってやる…!)


慧の疾風を纏った拳が蒼馬の拳とぶつかる…。


その瞬間…蒼馬は世界が遅く見えた。


(なんだこの感覚…何かすごいのが出る気がする…。)


――次の瞬間。


ついに拳同士が噛み合う…!


それと同時、紅い花火が散った!


――その拳はなんと慧の硬い拳の硬い拳に明確に通った。


「ぐっ…!」


(指が…!なんて威力…!)


慧の表情が歪んだ。


そして屈辱的な表情を浮かべ、叫ぶ。


「なぜだ…!!何故お前のような弱者が…!―

――業臨ごうりんを…!!!」


その時、蒼馬は"新たな世界"が見えていた。


(なんだこれ…体に何かが巡るような…。力がみなぎる…!)


「フゥー…」


蒼馬がゆっくりと息を吐く。目つきが変わった。確実に一段階成長した。そんな気がした。


慧は汗をかきながら叫んだ。


「お前はなんなんだ…!俺は…!心の芯からお前を受け付けられない…!!お前だけは殺す…!」


慧が疾風を纏う。


(来る…!あの技だ…!刀なしでもできるんだ…!)


――慧は構え、疾風を纏う。


「疾風居合――」


「待てや!」


だが大声が体育館に響く。


その声の元は刀花と鹿之介だった。


「やめろ!蒼馬!」


鹿之介は蒼馬を抑えつける。


「し、鹿之介さん…!?禍霊は…!?」


「もう倒したぜぇ〜!それよりなんで仲間同士で殴り合ってんだよ!?お前、血だらけだぞ!」


「えっ…。」


蒼馬は近くにあった鏡を見る。その時、初めて自分が血塗れなことに気がついた。


「自分もやめろや!」


刀花も慧を抑える。


「離せ…!こいつだけは殺す!」


「やめろや…!」


だが慧は疲労がたまっていた。


「はな…せ…。」


蒼馬を助け、A級の禍霊と戦闘、一般人の治療と戦闘の後片付け、寝ずに手の皮が剥けるまで鍛錬、そして蒼馬との戦闘。


――それを考えれば当然だ。気がつけば慧は眠りに落ちていた。


「ハァハァ…。やっと落ち着いたか厨二病男…。ホンマ手間かかるで…。」


刀花もゆっくりと崩れ落ちた。


「鹿之介さん…すみません…。」


「応…わかったならいいんだぜ…。」


蒼馬が謝ると鹿之介も蒼馬の拘束を解いた。


「説教は後や。まずは自分らが散らかしたの片すで。」


「はい…。」


刀花の指示の元、片付けが始まった。


だがこれは序ノ口。


この時、慧と蒼馬の対立はまだ続いていた。

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