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紅の闇祓  作者: 青空ボーロ
第一章
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第4話 「戦場に刺す一筋の光」

地面に倒れ、無力に天井を見つめる氷室慧。


そして天城蒼馬も禍霊に立ち向かうも、抵抗も虚しく、右腕と左手の指を失い。その意識は三途の川へと向かっていた。


一般人たちは叫び、諦め、自ら死を選び、目を血走らせて逃げ惑っていた。


そんな絶望的状況の中、一筋の光が戦場へと差し込む。


「おっしゃ!行くで!」


「応!!」


刀を持つ女と金属バッドを持った大男がその場に現れた。


それを見た蒼馬は思わず口から「誰だ…?」と声を漏らす。


だが慧は僅かに希望を持った。


「あれは…禍断隊の増援か…!」


それを見た禍霊は後ろを振り返り、2人へ向かい攻撃を放つ。


「ウォー!」


禍霊のエネルギー波が飛ぶ。


「やばい!なんか来るで!」


エネルギー波が飛び、男がそれを金属バッドで受ける。


「ホームラン!」


バッドに雷が走り、それを弾き飛ばす。


「あの男の人…あれを弾くなんてすごい力だ…」


蒼馬は驚き、そう呟いた。


倒れる蒼馬と慧を見た刀の女が2人に歩み寄る。


(この傷…かなりあかんな。放っとけば出血多量で死ぬ。待ってる場合ちゃうな。)


「すまん!ちょっと先にこいつら助けるわ!」


「了解だぁ〜ぜぇ〜!」


無論、禍霊は女へと攻撃を打つ。


だが男がそれを止める。


「させるか!これでもくらえだぁ〜ぜぇ〜!」


男のフルスイングが禍霊の腕と絡み合う。


「ぐっ…」


禍霊の顔が歪んだ。微かだが効いている。


その隙に女は蒼馬と慧の元へと向かっていた。


「自分らじっとしとき。」


そういうと女は蒼馬の右腕と左手の指を拾い。断面へ押し付ける。


逆相縫合ぎゃくそうほうごう…!」


骨のずれが戻っていく。肉が縫い合わされるように蒼馬の腕と指がくっつく。


(指と腕が…!?くっついた…!?)


その時、女の息が乱れ、顔色が少し悪くなる。


「チッ…これ地味にキツいんやで…。

あんたも腹に穴空いてるやんけ。逆相縫合!」


またしても女の術により慧の腹の傷口が塞がる。


「あの…あなたは一体…!?」


蒼馬が問に女は答えた。


「ワイの名前は神代刀花かみしろとうか。禍断隊で戦うしがない美女やで。」


そういうと刀花は禍霊の元へと向かった。


その時、男は禍霊と戦っていた。


「オラァ!」


男の攻撃は雷を纏い。素の攻撃力だけでも凄まじい威力がある。


だが隙が大きく、禍霊のパンチを腹にもらう。


「いてぇ!何すんだお前!」


その時、刀花は男の元へと向かっていた。


鹿之介しかのすけ〜!助けにきたでぇ〜!」


それを見た蒼馬はつぶやく。


「あの人…『鹿之介しかのすけ』というのか…すごい怪力だ…。」


「オラァ!死ねやぁ!」


刀花の刀が禍霊の腹を突き刺す。


だが刀が抜けなくなる。


「刀が抜けん…!」


「グオーッ!」


禍霊の筋肉が締まり、刀を噛んで離さない。そして腕からエネルギー波が飛ぶ。


(この距離…あかん!)


だがそこに鹿之介が割ってはいる。


「させるか!腕もげとけ!」


フルスイングがエネルギー波を放とうとした腕に当たる。


禍霊の腕の骨が壊れ、刀花は助かった。


自然と禍霊の腹の力も抜け、刀は抜けた。


「刀抜けた!ナイスやで!」


そのまま刀花の横薙ぎが飛ぶ。それは禍霊の腹をとらえていた。


「キエー!」


禍霊は叫びながら後退する。


「切腹してやろうと思ったんやが浅かった。あいつギリ半足引いたな。優秀やな。」


「でも2人ならボコれるぜぇ〜!」


「ああ!ワイらの馬鹿力見せたるわ!」


次の瞬間、刀花と鹿之介はまたしても走る。


その時、蒼馬はあるものを見つける。


(これは…!?)


炊き出し用の物資が散乱していた。袋が破れて、白い粉が床に広がっている。

——調理用の片栗粉だ。


そして禍霊の後ろからそれを持って駆け出す。


「化け物!こっちを見ろ!」


すると禍霊は蒼馬へ振り返り。攻撃しようとする。


その時、蒼馬は思いっきり片栗粉を投げつけた。


白い粉が宙を舞う。禍霊は一瞬、反射的に目を細めた。


その隙に鹿之介が技を繰り出す。


轟雷一閃ごうらいいっせん!」


真っ直ぐと雷が飛び、禍霊を麻痺させる。


「ナイスやで!よくわからん少年と鹿之介!助けてよかったわ!」


その隙に刀花は刀を振り上げる。


そして禍霊の首の肉に食い込む。


「キエーッ!」


禍霊は叫ぶがその叫びに意味はない!


「……終いや。」


気がつけば禍霊の首が無くなっていた。


その後、禍霊はゆっくりと消滅した。


それを見た刀花と鹿之介は大喜びした。


「おっしゃあ!やったでぇ!」


「やったぁ〜ぜぇ〜!今夜は焼肉だぁ〜ぜぇ〜!」


「いやこんな状況で焼肉食えるかい!」


そこに蒼馬が現れる。


「あの…助けてくれてありがとうございます。」


刀花と鹿之介は快く答える。


「ええんや!こっちこそありがとな!お前の片栗粉攻撃で禍霊倒せたわ!」


「だぁ〜ぜぇ〜!」


蒼馬は名乗った。


「俺の名前は『天城蒼馬』です。少しでもお力になれればいいと思ってます。よろしくお願いします。」


刀花と鹿之介も名乗り始める。


「改めて。ワイの名前は『神代刀花かみしろとうか』や。よろしく頼むで!蒼馬!」


「蒼馬?いい名前してんなお前!俺の名前は『問馬鹿之助もんばしかのすけ』だぁ〜ぜぇ〜!小卒だぁ〜ぜぇ〜!よろしくだぁ〜ぜぇ〜!」


「よ、よろしく…って!?小卒!?ってことは高校どころか中学も通ってないってことですか!?」


「お前なぁ。それ誇ることちゃうって何回言ったらわかんねん。」


「いいじゃねぇか!ショウソツってよくわからねぇけど、みんなと違ってかっこいいぜぇ〜!」


「ハ、ハハハ…よろしくお願いします。」


(なんか変な人が来ちゃったなぁ…)


それを慧はじっと見ていた。


慧は一度だけ、蒼馬を見た。


そして視線を逸らす。


「おまえらが増援か。……足手まといが来なくて助かった。……最低限は使えそうだな。」


それを聞いた刀花は僅かに怒りを覚える。


「あ?なんやお前。失礼やな。術式解除して傷開かせたろか?」


鹿之介はそれを止める。


「だめだぁ〜ぜぇ〜!こんな偉そうなのでも数少ない仲間だぁ〜ぜぇ〜!」


だが刀花は笑い、言った。


「冗談や。確かにこいつ言ってることうざいけど術式解除したらやばいやろ。」


「フン。くだらない冗談もほどほどにしろ。お前らと長々と話すつもりはない。

俺は後片付けと治療をする。後はお前らで話せ。」


慧は不貞腐れたかのようにそう言い放ち、治療器具を持ってそそくさと向こうへ向かった。


慧が去った後、刀花と鹿之介は大爆笑しながらいった。


「あいつうぜぇ〜!!」


2人が同じタイミングで大声でそういった。


「なんやあいつ!『くだらない冗談もほどほどにしろ』。厨二病かっての!?別にワイらなんも悪いことしてへんのになんでそんなこと言われんとあかんねん!?むしろ禍霊倒して、腹の傷治してやったんやけど!?感謝しろよなあの馬鹿男!」


「だぁ〜ぜぇ〜!」


そこに蒼馬が現れる。


「刀花さん。鹿之介さん。お言葉ですが氷室さんはそんなに悪い人ではないと思いますよ。」


「ん?なんや蒼馬。なんでそんなこと思うんや。」


「わかりません。正直、勘です。

でも彼は何か大切なものを失ってしまったんだ。

だから人との接し方がわからない。そんな気がするんです。

――あと、氷室さんからは、人を見下す音じゃなくて、自分を責めてる音がしました。

怒ってる音じゃない。悲しい音だ。」


それを聞いた刀花は蒼馬へ疑問をぶつけた。


「自分。音でそんな事わかるんか?」


「はい。俺は昔から耳がいいので、ある程度音でわかります。

悲しい音、怒ってる音。

感情って、声に出さなくても音になる気がするんです。」


それを聞いた刀花は少し考え込んだ。


だが鹿之介は笑いながら言う。


「蒼馬!お前話ムズすぎるぜぇ〜!そんなことよりコーラねぇか!?」


「あるわけないやろ!今の状況わかってるかお前!?」


その時、蒼馬は聞く。


「あ、あの…。色々聞きたいことがあるんですけどいいですか?」


「ん?なんや?なんでも言ってみ。」


「まず『禍断隊かだんたい』ってなんですか?『禍霊まれい』?とかもよくわかんないし。

そもそもなんでみなさんはそんな漫画みたいな超能力?みたいなのが使えるんですか?」


刀花は驚いた。


「あの刀の男。説明しとらんのかい。」


蒼馬はありのままを話した。


「はい。氷室さんに聞いたんですが。

『弱いやつは引っ込んでろ』『お前は知る必要はない』の一点張りで…。」


するとまたもや2人は笑いだす。


「だからあいつ厨二病かっての!!」


「言葉選びがいちいち痛いぜぇ〜!」


笑いが収まると刀花は語り出す。


「ほんなら今から蒼馬君には色々この世界の基本を教えたるわ。禍霊とはなんなのか。ワイらみたいに強くなるためにはどうしたらいいのか。全部教えたる。ついてこい!」


「おっ!授業か!?おもしれぇ〜!」


そして蒼馬は言われるがまま刀花と鹿之介へついていく。そして3人の授業が始まる。

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