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紅の闇祓  作者: 青空ボーロ
第一章
15/17

第15話「赤く染まる空」

温泉に入ったあと、蒼馬たちは眠りについていた。


突然、蒼馬は悪夢を見る。


赤く染まった家族が蒼馬を責めた。


その悪夢に蒼馬は飛び起きた。


蒼馬の叫び声を聞いて現れたのはランタンを持つ慧だった。


慧も中々、眠れないらしく2人は夜、ベランダで話すことになった。


そこで蒼馬と慧は互いの過去や目標について語り明かした。


蒼馬は眠りについた。


だが慧は少しだけ長く蒼馬より起きた。


慧は黒瀬宛の手紙を書いていたのだ。


慧は手紙に今までのことをありのままに書いた。


「蒼馬はとても優しい心の持ち主です。


まるで百花のような…。


だから今度、黒瀬さんにも会わせたいです。


勿論、刀花と鹿之介も。


――また生きてたら会いましょう。黒瀬さん。」


文末にそうかくと慧は眠りに落ちた。


そして次の日の朝、蒼馬は目覚ましの音で目覚める。


蒼馬は無言で布団を畳み、洗面所へと向かった。


歯ブラシに歯磨き粉をつけ、丁寧に歯を磨く。


蛇口をひねり、手に洗顔料を乗せ、ゆっくりと顔を洗う。


顔をタオルで拭き、蒼馬は台所へと向かう。


そこには無言でお湯を沸かす慧の姿があった。


「おはようございます。」


蒼馬がそういうと慧は蒼馬を見た。


「おはよう蒼馬。相変わらず早いな。」


「はい。早寝早起きが大事ですから。まあ昨日は少し寝るのがおそくなってしまいましたが。」


「蒼馬は本当に真面目で誠実だな。素晴らしい。」


そういいながら慧はやかんをとり、コーヒーフィルターにお湯を淹れた。


コーヒーを作り終えた慧はパンにハムとチーズとサラダをのせる。


そしてそのパンをオーブンで焼いた。


「今日の朝ご飯はハムチーズパンだ。蒼馬。刀花と鹿之介を起こしてきてくれ。」


「わかりました。」


そう言うと蒼馬は刀花と鹿之介の元へと向かった。


「二人とも!朝です!起きてください!」


「なんやもう朝か。しゃあない起きるわ。」


「あと5分頼むぜぇ…。」


「だめです!ちゃんと起きてください!」


そして4人が揃い、朝ご飯を食べる。


「いただきます。」


そこには一般人たちもいた。


慧は一般人の分もしっかり作っていた。


「これおいしいですね。」


「うまいだろ。楽に作れるし、うまいから気に入ってるんだ。」


「おい慧!これサラダ入ってんじゃねぇか!いらねぇよ!」


鹿之介は野菜を嫌うが、慧はいう。


「鹿之介。野菜も大事だぞ。ちゃんと食べろ。」


「ったく仕方ねぇぜぇ〜」


そういって鹿之介は渋々、パンをサラダごと食べた。


「食い終わったし、ゲームでもするか!」


「いいなぁ〜!」


刀花と鹿之介は部屋でゲームをしだした。


食卓を終えた慧はベランダへ向かう。


椅子に腰をかけると外の景色をみながら新聞を広げた。


コーヒーを一口のみ、新聞を読み進める。


「…昨日の禍霊の被害者数は14万人か。禍霊の被害も相次いでいる。困ったものだな。」


コーヒーを飲み終わり、新聞も読み終えた慧は石を出し、刀を研ぎ始めた。


刀は慧からしたら相棒のようなものだ。


手入れは丁寧にしなくてはならない。


「この新しく手にした静断という刀。かなり使えるな。黒瀬さんが折角送ってくれたんだ。大切に使おう。」


刀を研ぎ終えると慧は刀を鞘にしまった。


蒼馬はその時、空を見ていた。


小鳥のさえずりが聞こえ、空気は澄んでいた。


――だが一瞬、空が赤く見える。


「えっ、空…赤い…。」


蒼馬は驚いた。いつものあの"不幸が起きる前の空"だったから。


だがそれはほんの一瞬ですぐに空は青い空に変わった。


「…いや気の所為だよな。」


そういうと蒼馬は部屋へ戻った。


その時、大阪では黒瀬が目を覚ましていた。


朝の準備を終えた黒瀬はいつもの隊服に着替え、相棒のハンマーを磨いた。


「さてと今日も一仕事するかのう。相棒、今日も頼んだぞい。」


ハンマーにそう話しかけると黒瀬は家を出た。


黒瀬は大阪支部に向かった。


「おはようじゃぞい。今日も禍霊を倒すぞ。お主ら気合いを引き締めていけ!」


「はい!」


黒瀬はそういうと大阪支部をでて、禍霊を狩り始めた。


大阪にはやはり呪いが集中していた。


「ニンゲン…ニンゲン…」


「コロス…オレノエモノ…」


禍霊が餌を見つけた獣のように黒瀬へ向かってくる。


「やれやれ。骨が折れるのう。フンッ!」


「ゴォン!」という轟音が鳴り響き、空気が揺れた。


黒瀬のハンマーが禍霊を完全に破壊した。


それは打撃というより、まさに破壊の一撃。


一瞬にして禍霊たちは破壊された。


その時、既に黒瀬はわかっていた。


――背後にいる人ではない何かの存在を。


「…いるのはわかってる。そろそろでてきたらどうじゃ?」


黒瀬がそういうと女の声が背後からかかる。


「あら。流石に近づきすぎちゃったかしら。」


「歴戦のワシの目を誤魔化せると思ったか。」


その禍霊は空気を震わすオーラを纏っていた。間違いなくS級だ。


「私の名前は『魂縛こんばく』。貴方は?」


魂縛が名乗ると黒瀬も名乗る。


「ワシの名前は『黒瀬太三くろせたぞう』。悪いがお主のような邪悪な禍霊は放っておけんな。」


「あらあら。では手合わせといきましょうか。」


そういうと魂縛の手から宝石のような物体がでてくる。


(あれはなんじゃ…?何かの呪具…?いや…!)


その時、その宝石が禍霊に変わる。


「さっ、いってらっしゃい。」


魂縛が指示を出すとその禍霊たちは黒瀬へと向かった。


(フン…この程度…!)


黒瀬はそれを破壊しようとする。


だが彼らはこういった。


「タスケテ…。」


「シテ…コロシテ…。」


「むっ…!?」


その時、黒瀬の脳裏によぎった可能性は彼らが魂縛に無理やり禍霊にされた悲劇の存在であるという可能性だ。


その時、魂縛は既に黒瀬の背後をとっていた。


「あら、隙ができたわ。」


(しまった…!)


黒瀬の優しさが致命的な隙を生む。


魂改こんかい…。」


魂縛の手が黒瀬の背中に触れる。


「くっ…!離せ…!」


黒瀬のハンマーが魂縛の腕を破壊する。


「早くて反応できなかった。やるわね。」


魂縛はバックステップを踏む。そして腕は一瞬で再生する。


(再生した…!?本来、禍霊に再生能力はない…。やつの術式か…!?)


――直後、黒瀬の口から生ぬるい液体が出てきた。


「ゴフッ…!」


「あらちゃんと効いてるじゃない。」


「お主…。今、何をした…?」


「さぁね。ただもうちょっと私が貴方に触れられていれば殺せてたかもしれないわね。残念だわ。」


禍霊は悪魔のように笑い言った。


「まあ今日はちょっとした挨拶よ。情報収集はこの辺でいいかな。さよなら。」


そういうと魂縛は消えた。


「くっ…!待て…!」


黒瀬は魂縛を追いかけようとする。


だが魂縛が逃げながら大量の改造人間を投げる。


「キャーッ!」


それらが一般人を襲う。


「ちっ、ずる賢いやつじゃのう。まあよい。まずは目の前の命を救うことを優先じゃ。」


そういって黒瀬は改造人間をハンマーで破壊し、一般人を助けた。


「大丈夫か?」


「大丈夫です…。」


やはり魂縛には既に逃げられていた。


「あの禍霊…魂縛といったか。危険だな。慧と上層部に伝えておくか。」


そう言って黒瀬は次の現場へと向かった。


その日の夜、慧の携帯に黒瀬から電話が来る。


「もしもし黒瀬さん。どうしました?」


「慧か。少しばかり共有したいことがあってのう。」


そういって黒瀬は話した。


魂縛という禍霊にあったこと。


やつは改造人間を使えること。


謎の超再生能力を持っていること。


触れられるとほぼ即死であること。


――そしてそれを取り逃がしてしまったこと。


「もう上層部にやつの存在は話してある。じゃがあまり真剣に対処してくれる様子はなかった。慧も気をつけろ。」


「…わかりました。」


――このとき、慧は何か嫌な予感がした。


だが「大丈夫だろう」と思い。電話を切った。


慧はこのことを蒼馬たちに共有した。


「S級…しかも黒瀬さんを追い詰める。そんな禍霊がいるんですか…?」


「ああ。こんな田舎にくる可能性は低いが、黒瀬さんは確かに取り逃した。要注意だ。

特徴は性別は女、紫色の長髪、身長170cm台、見た目は20代後半だ。」


「なんやそれ。ちょっと嫌な予感するな。」


「まっ、大丈夫だろ!俺たちならそんなやつ4人でボコボコにできるって!」


鹿之介は自信満々にそういうが他の3人は不安だった。


そしてその魂縛という禍霊はアジトである男と話していた。


「やあ魂縛。黒瀬太三は強かったかい?」


その問いに魂縛は不気味に笑いながら答えた。


「面白いわ。あのおじいちゃん。老体なのに動きに衰えを全く感じなかった。

――あのままやってたら私が負けてた可能性すらあった。」


「魂縛。わかってるよね。私たちが今から行くべき場所。」


「ああ。大分県。天城蒼馬がいる場所よ。」


蒼馬たちが知らない中で黒い影は着実に動いていた。


――そして空はさらに赤く染まった。

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