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紅の闇祓  作者: 青空ボーロ
第一章
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第1話 「赤い空の夜」

日本の片田舎である大分県に平凡な高校生が暮らしていた。


彼の名前は「天城蒼馬あまぎそうま


「はいじゃあ授業終わります。」


授業が終わると彼の友達が話しかけにくる。


「なあ天城見ろよ!あの先生可愛くね!」


そういう友達に蒼馬は笑いながら返す。


「お前、本当そういうのばっかよな!」


2人は大笑いした。何気ない学校での出来事。HRが終わると蒼馬は友達と帰った。


「それでさ〜」


友達が話している時、蒼馬は空が赤く見えた。


(空が赤い…なんだろう…)


不思議と、不幸が起きる前は、決まって空が赤く見えた。


「ん?天城?大丈夫か?」


「あっ、うん大丈夫。」


蒼馬はきっと気の所為だと割り切り、道を進んだ。


「んじゃ!また明日!」


2人は途中で分かれ、それぞれの家に帰った。


「おかえりなさい。蒼馬。ご飯できてるわよ。」


「蒼馬!今日はお前が大好きなカレーだぞ!」


帰ると母親と父親が待っていた。


「ただいま。すぐ食べるよ。」


蒼馬はそういうと家族と食卓についた。


「今日、学校で田中が『あの先生可愛くね?』とかいってきてあいつ本当にそういうのばっかだよ。」


「ハハハ!田中君は面白いなぁ!昔のオレみたいだ!」


「この人、人前でも私のこと可愛い可愛いいうから恥ずかしかったわ。」


「父さんそんなことしてたの!?」


「俺と母さんは愛し合ってるからいいんだよ!」


「よく息子の前で言えるねそれ!」


平和な食卓、だが突如、電気が消えた。


「あら?停電かしら?」


母親がそういうと父親は立ち上がり


「俺、ブレーカ落ちてるかどうか確認するよ。」


といいブレーカの元へと向かった。


…が直後、窓が割れる音が鳴り響く。


「窓!?」


そして父親の怒鳴り声が響く。


「お、おい!なんだお前!?不審者か!母さん、警さ――」


その時、「グシャ!」という肉がえぐれる音がした。


…ゆっくりと電気がつく。


「父さ––」


原形を留めていない父の姿を、人の形をした“何か”が掴んでいた。


「父さん…えっ…何…これ?」


蒼馬は怯えながら震える声でそういった。その化け物は一瞬にして母親を襲う。


「イヤーッ!蒼馬ァ!」


母親の身体が不自然に崩れ落ちた。化け物は止まらなかった。その攻撃の後、母親が再び目を開くことはなかった


一瞬だった。転がる母と父の亡骸、部屋に広がる鉄の匂い。蒼馬は震え、動けなかった。


「うっ…オエッ!」


蒼馬の胃の中身が逆流した。ただの高校生の頭では理解が追いつかなかった。


「次はお前だなァ…若くて…美味そうだなぁ…お前ェ…」


そういって化け物は蒼馬に歩み寄る。


そして化け物は蒼馬の顔を触った。


「いい顔してるなァ…グチャグチャにしてやりたくなるぜェ…」


そういうとやつは蒼馬の右目を奪った。


激痛とともに、右の視界だけでなく、彼の“当たり前”が消えた。


「グァーッ!」


蒼馬は叫んだ。それを見て化け物はうれしそうに笑った。


「もう助けもこねェ…みっともねぇやつだなお前ェ…」


「次は俺だ」。蒼馬がそう思ったその時、化け物の首を苦無が貫いた。


「だ、誰…?」


蒼馬はそうつぶやき、顔を上げた。


そこにいたのは20代前半くらいの長身の日本刀を持った男。


「話は後だ。ここは危険だ。逃げるぞ。」


そういうと彼は蒼馬を連れ、逃げ出した。


「逃がすかぁ!」


だが逃げる日本刀の男の前に追手の化け物たちが現れる。


だが男は無言でやつらを切り裂き、颯爽と逃げていく。


どれくらい逃げただろうか、蒼馬は避難所へと連れてかれた。


(これって…夢…だよな…?)


蒼馬はそう思った。信じられなかったからだ。こんなことが現実とは。


安全な場所に来たが、それでも蒼馬は先ほどの感覚や光景を思い出し、またもや吐いた。


「…手当するぞ。おとなしくしてろ。」


それを見た日本刀の男は静かに手当を初めた。


あまりのショックに蒼馬は唖然としていた。だが生き残るためには情報収集が必要である。恐る恐る蒼馬は聞いた。


「あの…貴方は…?」


「俺は禍断隊かだんたい。B級隊員。氷室慧ひむろけいだ。」


「禍断隊…?」


禍霊まれいを狩る組織だ。」


「禍霊…?」


禍霊という言葉を聞き、蒼馬はある言葉を思いだした。


「蒼馬。禍霊には気をつけろよ。」


亡くなった祖父が以前、幼い蒼馬に言っていた。


「おじいちゃん。『禍霊』って何?」


「『わざわい』に『れい』と書いて、『禍霊まれい』。

わざわいから生まれる化け物さ。

やつらに会った時は『禍断隊かだんたい』に頼りな。」


禍断隊かだんたい…?」


禍霊まれいを倒してくれるのさ。」


何度も聞き返す蒼馬への慧のため息で蒼馬の意識は現実へ戻る。


「これだから無知は面倒なんだ。理解できないなら、黙っていろ。まず生き残ることだ。」


蒼馬はわからないことを聞いただけだ。この慧の態度には流石に怒りを覚えた。


「あの…俺家族殺されてるんですよ…。そんな人間に対して質問されただけでその態度って…」


「だからなんだ?そんなものは関係ない。今は極限状態なんだ。戦えない人間が前に出るな。」


蒼馬はそれ以上何も言えなかった。慧は話が通じないと思ったからだ。


「にしてもたたかえるのは俺一人か…B級びーきゅうが1人…最悪だ。」


B級びーきゅう…?」


「お前は知らなくていい」


ある程度、状況を把握した蒼馬は避難所で座り込んでいた。


(もうここにはその禍霊ってやつはこない…。もう大丈夫だ…。)


蒼馬は心ではそう言い聞かせるが、心臓の鼓動と震えが止まらない。あんな経験をしたんだ無理もないだろう。


「いいかこれからお前には…」


慧がそういいかけた時、避難所の窓が割れた。


「ウーッ…」


現れたのは禍霊だ。


「チッ、」


慧の表情が変わる。それと同時に一般人は悲鳴をあげ、蒼馬も震え上がった。


「たたかえるのは…俺だけか。」


「まっ…待ってください!俺もたたかいます!」


蒼馬は咄嗟にそう叫んだ。


だがたたかおうとした蒼馬は脳裏にあの記憶がよぎる。


「キャーッ!」


それは両親が殺され、片目を失った記憶。


トラウマによりまたもや蒼馬は嘔吐した。


「素人が…引っ込んでろ!」


そういうと慧は蒼馬を投げ飛ばした。


(クソ…完全に足手まといだ…俺はたたかえないのか…役に立てないのか…)


突如、禍霊が攻撃を飛ばす。


それは蒼馬の目の前に来る。


(まずい…やられ…)


だが慧の居合がそれを切り裂く。


「させるか。怪物め。俺が相手だ。」


禍霊は黒い光を収束させ、ビームを放つ。慧はそれを疾風を纏った居合で切り裂いた。


「あれは…刀から風…!?」


蒼馬は、その背中を見つめることしかできなかった。


それが、天城蒼馬に突きつけられた現実だった。

毎週土曜20時更新です。

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