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辞訣  作者: 白空


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17/21

第17話.Re:干渉

「ねぇ、今の社会って間違ってるって思わない?」


 ちょっと、中学生とは思えない発言だ。


 ここは、多摩川沿いに位置する公立中学校。

 地元じゃ一番の有名公立中学だ。なぜかと言うと、習熟度別のクラス分けを取り入れた先進的な学校、とされているからだ。


 そしてここは最上位クラス。しかしながら授業は一切行われていない。

 なぜこんなこととになっているのか、これには深い訳がある。


 新年度となったその日、新たな新任の教師が採用されるに至った。

 その教師の授業は大変ひどいものであった。

 度重なる間違い、それに対する純粋な心を持った指摘。

 それが何度も続いたため、やがて新任の教師は苛立ってきた。

 その苛立ちに耐えかねた生徒からの正論が飛んだ。

 それに新任の教師は手を出した。辞表を出す羽目になり、無事首が飛んだというわけである。


 表向きは上の一連の流れによって教師に空きができたため、人材不足で授業の中で自習をする機会が多くなっている、とのことである。

 本当の理由は、新任の教師が、あることないこと言いふらして去っていったため、このクラスに対する信用がほぼないに等しいからだ。逆恨みって怖いね。



 とまぁ、授業時間は単なる拘束時間となってしまった。時々総合的な学習の時間などで外部講師を呼んで授業する予定がもとからあった場合は、授業をしたりするが。

 大抵の自習時間では、うるさくしなければどんなことをしていても怒られない。そんな中で飛び出した発言があれだ。反応に困る。


「……さぁ……そんなこと言われても……間違ってるんじゃない?……としか。」


 そりゃあこの社会は間違っている。

 型にはめられた、形成された人間しかいないのだ。少なくとも善悪を判断しようとする意識が微塵もない。


「うん、やっぱりそうだよね。」


 自分でいうのもなんだが、このクラスで一番頭がいいので、質問するときは大抵こちらに来る。


 そんなこんなで自習の時間を過ごして、5時間目が終わる。六時間目は、久々の総合の時間で、犯罪者の更生に関する映像を見せられた。見終わった後の感想は、とても製作者の意図が見え透いた映像でしたとは言えないので、適当にいい感じの事を書いておくことにする。

 具体的には、「夫婦の仲がちゃんとしていれば、最終的にはいい人生を過ごせることがすごい!先進的な国だ!」みたいなことを書いた。



 そんなこんなで過ごしていたら、中学3年の10月も半ばだというのに転校生がやってきた。


「都外から来た生徒だ。みなさんよりも頭の出来が良くて、模範的な生徒です。見て、学び、慕うこと。」

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