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37悪 婚約者妹問題

「……ふむ。であるならば、俺が次期公爵となる事も問題はないか?」


「ああ。もちろんだ!お前は公爵としての条件の1つを満たしたぞ!」


「…………そうか」


俺は心の中でガッツポーズ。勿論公爵になれることは今後を考える上でも嬉しい。だが、それだけではなく、



――――――――――――――――――――

デイリーミッション


達成済み

・魔力鑑定を受ける

 報酬:称号『力のある問題児』


達成済み

・次期公爵候補を確定させる

 報酬:スキル『偉大なる覇道1』

――――――――――――――――――――



ミッションが達成できたことが嬉しいのだ。この短時間でデイリーミッションを両方達成。実に素晴らしい結果だ。

1つ目のミッションで得た称号はともかく、2つ目で得たスキルは良さそうな名前だからな。『偉大なる覇道』。悪の道を進む俺にふさわしい名前のスキルだな。効果はさっぱり分からないが。


「良かったねぇアーク!凄いんだってよ!おめでとう!!」

「おめでとうございます。非常に多い魔力量であることは嬉しく、そして少し悔しいです」


2人はそれぞれ喜んでくれる。が、どちらも微妙な気持ちになるな。


「イヤミーに言われても嫌みにしか聞こえんし……シンユーはそう落ち込むな。人の強みは魔力だけではない。お前はそれ以外で努力すれば良いだけだろう」


「それはそうですけど……」


それでも少し不満そうなシンユー。

どう対応しようかと悩んでいたのだが、


「アークひどぉい。せっかく私がおめでとうって言ってあげたのに、全然喜んでくれないじゃん」


イヤミーも不満を言ってきた。魔力が10万超えてるやつから、魔力が多いんだってよって言われてもな。全くとまでは言わないがあまり嬉しくはないだろう。煽ってるんじゃないかと思うやつもいると思うぞ。


「喜んではいるが、お前の魔力量と比べると圧倒的に少ないからな。賞賛されても複雑な心境になるんだ」


「えぇ~。なんで~。もっと喜んでよぉ」


不満そうな表情のイヤミー。だが、これ以上言っても今のこいつでは理解できないかもな。まだ幼女だし。6歳だし。


「ふっ。まあそれならそれで良い。俺は大人な対応で素直に喜ぼう。……俺だって、魔力量だけが力ではないんだから」


「ん~。よく分からないけど、喜んでるなら良かった!」


イヤミーの表情は一転。もう機嫌は良くなったようだな。幼い分単純で良いな。

そして、表情が変わったのはイヤミーだけではない。


「魔力以外が大切なのは、私だけじゃない……」


シンユーも俺の言葉を聞き、考え込むような表情に。何か引っかかることがあるんだろうな。成長につながるなら良いんだが。


「これで今のところ、ドーエムが俺の圧倒的に超える魔力量を出さない限りは公爵の地位は確定だな」


「「ドーエム?」」


俺の呟きに2人は首をかしげる。この反応を見るに、2人ともドーエムのことを知らないようだな。俺もあいつのことを2人に話したことはなかっただろうか?


「1つ下の俺の妹だ。腹違いだがな」


俺は説明してやる。さして興味は無いかと思われたが、


「妹!」

「挨拶をしなければ!アーク様!合わせて下さい!」


詰め寄られた。俺は後ずさりながら、


「え、えぇ?」


困惑の声をこぼすのだった。



結局その後押し切られ、俺はドーエムと2人を合わせる約束を。そのことをドーエムに伝えると、



「お兄様の婚約者……挨拶しなければ!!」


やる気溢れる表情でそう言っていた。2人がドーエムに会いたいと言ったときの表情に似ているぞ。

さらにそれから数日後。


「初めまして。私はアークの婚約者で正妻になる予定のイヤミーだよ。よろしくね」

「初めまして。私はアーク様の婚約者で第2夫人になる予定のシンユー・エーライです。お見知りおきを」

「は、初めまして!私はアークお兄様の妹のドーエム・ワールです!宜しくお願いします!」


3人が会って挨拶を。ドーエムは声からしてあからさまに緊張しているが、婚約者組の2人も緊張の色が見える。結婚相手の家族との関係って難しいからな。義理の妹などはまだ問題が少ないかもしれないが、嫁姑関係とかよく聞くし。


……なんて思ってたんだが、数分後。


「ですよね!お兄様のそういう所が……」

「うんうん。アークってそういう所あるよね!」

「ありますね」


意気投合した様子で話す3人が。

話の内容は主に俺のことなのだが、肝心の俺は完全に蚊帳の外である。話題にされて嬉しいような、のけ者にされて悲しいような。微妙な気分だ。

そんな中話が進み、俺に話題が初めて振られるのが、


「アーク!なんでドーエムちゃんとは婚約しないの?」

「そうです!ドーエムちゃんが可哀想です!!」


俺がドエームと婚約しないことに関してだった。ドーエムが俺に好意を寄せていることはかなり分かってきたようだったからな。

だが、婚約者に迫られたからと言ってこれはそう簡単に変えるつもりはない。


「ドーエムとてワール家の一員。充分ワール家へ利益を上げ、他家と婚約を結ぶ以上の利益を出さなければ自由にはさせられない」

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