3悪 よくないことも潰していいのかは分からない
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達成済み
・10人の母乳を飲む
報酬:スキル『母乳鑑定1』
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ミッションを達成した。これで報酬ゲットだ。今取っておくべきものの1つを手に入れたな。と思っていたのだが、
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達成済み
・10人の母乳を飲む
報酬:スキル『母乳鑑定1』
・30人の母乳を飲む
報酬:スキル『母乳鑑定2』
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増えた。達成したミッションの下にさりげない風に現れやがった。おそらくミッションを達成したらその次のミッションが現れるようになってるんだろうな。しかも今度は30人だぞ。10人でも大変だったのに、30人は厳しくないか?……ただ、救いなのはすでに飲んだ10人は最初から加算されていたこと。調べてみた限りそうなっていた。つまり実質20人に変わったと言うことだな。
勿論それでも前回飲んだ10人以外に20人というのは厳しい。所構わず求めることになるだろうな。それにともなって、
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達成済み
・10人以上を○○させる
報酬:スキル『性神の加護1』
達成済み
・30人以上を○○させる
報酬:スキル『性神の加護2』
・100人以上を○○させる
報酬:スキル『性神の加護3』
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こうなってしまった。
仕方ないんだ。母乳を出せないメイドの方が多いんだから!それに、男の視線がないように隠れてくれるからやりやすいんだ!
……因みに噂で聞くと、新しく就職を希望するメイドの大半が俺のお世話係を希望しているらしい。どこかで俺の噂を聞きつけたのだそうだ。……この世界には欲求不満な者が多いのか?
「あぅぅ~」
「アーク様は将来女たらしになりそうですね」
俺が適当に過ごしていると、メイドからそんな声がかけられる。そんなことは無い……はずだ。
少しそんな気がしてしまわなくもないから話題を変えよう。
さて、新しい話題だが、俺には1つ気になっていることがある。それが、このアークというキャラクターが悪役となった理由だ。
悪役とは言え、そうなるのにはそれ相応の理由がある。一般的に1番大きい理由は我が儘を許す教育だとは思うが、アークに関してはそうでは無い。一応悪役になった理由に関してもゲームでは明かされているのだ。それが、
「アークちゃん。かわいいでちゅねぇ~」
そんなことを良いながら俺を抱きしめる女性。名前はクララ。そして、
「クララの子だぞ。可愛いに決まってる」
クララにお熱な様子の男性。名前はスネール。一応この国の公爵だ。
この2人は、俺の両親だ。クララが母親でスネールが父親だ。両親と言われればそんな説明されなくても分かると思うかもしれないが、性別に関しては最近色々あるからな。一応、な。
で、この両親達が悪役となる理由というわけだが、毒親だとかいう話ではない。とりあえず現在は。では未来はというと、少し変化が起こってしまうのだ。
「あなたの子供でもあるんだ、から……ゲホゲホッ!ゴホッ!」
「クララ!大丈夫か!!!」
咳き込むクララ。それにスネールが慌てる。
今クララはベッドにいる。出産したからと言うより、元々体が悪いのだ。元々病弱な上に出産までして体力が落ち、病状を悪化させてしまったというのが現状だ。そして大事なのがこの後。ゲームだとクララは息を引き取り、スネールが精神的に病んでしまう。クララが息を引き取る原因の1つとなった俺に辛く当たる形で。
このクララの死の原因が俺という話だが、それは出産して体力を使ってしまうことだけではない。俺、というよりアークがとある理由で体調を崩し、クララの病気のための薬草を使ってしまうのだ。そのため薬草が使えなくなったクララの病状が急激に悪化するという流れである。
「あぅ~」
「コホッコホッ!だ、大丈夫よ。アークも心配してくれてるのね。ありがとう」
咳き込みながらも俺の頭をクララは優しく撫でる。優しい母親という雰囲気が全面に出てるな。
因みに、スネールの妻はクララだけではない。他にも側室がいるのだ。ただ、スネールがクララを1番愛していて、時間を使っているというのは確かなのだが。そして、側室達からクララが妬まれているというのも。
「ほら。クララ。今日の分の薬だ」
「ありがとう。……うん、少し楽になった気がするわ」
薬を飲むクララ。その様子を見ながら俺は考える。この先の未来を変えるべきかどうか。つまり、クララを救うべきかどうか。
救う手立てがないわけではない。そのためには俺も色々と苦労する必要があるが、どうにかなるレベルの問題だろう。ただ、救ってしまうのが良いことばかりではないのだ。
まず、クララを救った場合のメリット。これは簡単だ。家庭が明るくなる。つまり、俺もスネールからの迫害などを受けずに済むと言うことだ。公爵家は明るい雰囲気になるだろう。
そして次にデメリット。これの1番大きなものは、シナリオが変わってしまうことだ。今後のゲームのシナリオを知っていることは、大きなアドバンテージである。ここでクララを救った場合、シナリオから世界がずれてしまい俺の強みが減ってしまうのだ。これは今後に大きな打撃を与えかねない。