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24悪 ワンコをゲットだぜ

「ということで、ペットを捕まえに行くぞ!」


「いや。どういう事ニャ?」


俺は何も説明せずに傭兵達を引き連れ、ペットにする動物を捕まえに行くことにした。そのために俺たちが行くのは、


「突撃ニャアァァァァ!!!!」

「「「「ニャアアアァァァァァァァ!!!!!!!」」」」


テンションの高い傭兵達が駆けていく先、そこにはお宝を抱え込んだ盗賊のアジトが。ボーナスを期待した傭兵達の前では盗賊など敵ではなく、一瞬にして制圧は完了。そして俺の目的の者を探しに行くのだが、


「ここもないか」


「なかったニャ~。ここの盗賊のレベルを考えると、そういう商売は難しいのかもしれないニャ」


俺が探しているもの。それは、盗賊達が捕まえる希少なモンスターだ。売買が禁止されている違法なモンスターもいるのだが、そういったものは高値で販売されることが多い。そのため、盗賊などはそういうのを抱えこんでる事があるのだ。

ただ、いくつも盗賊のアジトを潰してもそういった物は見つからない。

ネトの予想によると、この辺りの盗賊のレベルが低いことが原因ではないかということだった。希少なモンスターはそれぞれ特殊な能力を持っていたりすることが多く、レベルが低い盗賊に捕獲は難しいとのこと。ここまで見つからないと、ネトの予想が正しい気がしてるな。

などと思っているときだった。


「クゥ~ン」

「「キャンキャンッ!」」


犬のような鳴き声が聞こえてきた。俺たちは顔を見合わせ、音のした方向へゆっくりと近づいていく。そこには、


「狼?」


「シャドウウルフだと思うニャ」


黒い狼の見た目をしていて、頭からは角を生やしている。種族名はシャドウウルフと言い、モンスターらしい。ウルフって付いてるんだから狼だろとは思うんだが、違うそうだ。

よく見てみると、


「数匹罠に掛かっているようだな。……助けられるか?」


俺はネトに尋ねてみる。


「助けるのニャ?トラバサミだから解除は簡単だと思うけど、その周りにいるのに攻撃されないかが心配ニャ」


どうやら解除だけならいけるそうだ。それならそれで話は早い。俺はメイドに指示を出し、餌付け用に用意しておいた肉を出させる。


「クォ~ン?」

「「クゥ~ン」」


最初は警戒した様子のシャドウウルフ……長くて面倒だから狼で良いだろう。その狼たちはゆっくりと肉へ近づき、口をつけ始めた。1匹が食べるともう1匹、更にもう1匹と連鎖的に餌付けは上手くいき、それで気を引いている間にネト達が、


「全て解除完了ニャ!」


「うむ。ご苦労」


トラバサミを全て解除した。これで狼たちも自由の身となり、めでたしめでたし。……と言うわけでは勿論ない。

本番はここからだ。


「お前達。俺のペットになるつもりはあるか?」


俺は勧誘を始める。ただ、言葉を狼たちが理解しているとも思えないので、餌を目の前で振って誘導したりする。ついでに、怪我をした狼たちに回復魔法もかけさせておく。回復魔法はメイドに使える者が数名いたからな。


……実を言うと俺の使える神の愛撫が1番強力なのだが、アレは俺の魔力不足で今でも倒れてしまう。ゲームの設定上修行を重ねてきたということになっていたとはいえ、アレを使えるヒロインはイヤミーの次くらいに異常なんだよな。

そんなことを考えながら餌を揺らすこと数分。ついに、


「「「「クゥゥゥン」」」」


全ての狼が俺に腹を見せ、服従してきた。全ての狼の腹をわしゃわしゃと撫でてやる。こうして、俺のペットができあがるのだった。

いやぁ~。元はドーエムのペット用トイレを用意するついでだったが、狼を手に入れてしまったな。見た目に威圧感があって俺は素晴らしいと思うぞ。


「……あ、あの、アーク様」


俺が満足して1人で頷いていると、メイドが話しかけてきた。どこか言いづらそうな顔をしている。

何か問題事だろうか?


「ん?どうした?」


「こ、この大きさと数の狼を、アーク様のお部屋で飼われるのですか?」


「……あっ」


結局、狼たちは馬小屋で飼育されることになった。貴族として見栄を張る関係上屋敷に大きな馬小屋はあるのだが、そのほとんどに馬は入っていないそうなのだ。そこを貸してもらった形だ。

貴族が見栄を張る生き物で良かったなんて、かなり珍しく感じたな。

そして馬小屋で飼育されることになった狼たちだが、俺に飼われて、ごろごろダラダラしているだけではない。なんと傭兵達が、


「ふぅ~。速いニャ!……よし、そのまま突撃ニャァァァ!!!!」


「「「「ワオオオオォォォンッ!!!!!!」」」」


乗り物として使っていた。騎馬隊ではなく騎狼隊だな。

猫の獣人であるニャンダフルの傭兵達よりも速度は上で、猛スピードで広場を駆け回る。傭兵達によって戦闘訓練なども行なわれていた。

その訓練だが、公爵家の兵士達は離れて眺めている。話によると、


「わ、私たちではあの速度を扱いきるのはどうにも……」


「コントロールできませんね」


と言うことらしい。アレを扱いきれるのは、自分たちもある程度速度を出せる傭兵達だからこそなのだろう。これには俺も傭兵達を見直したな。やはり実力があるのだと。

ただ、兵士達だって眺めているだけではない。


「あの速さで敵が来ても、公爵家の方々をお守りできるようにするのが目標です!」

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