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16悪 子飼いの戦力は欲しい

本日2話投稿を行ないます。

こちらは1話目。

「……俺が面会することならできる、と伝えろ」


「え?」


「早くしろ」


「は、はい!」


困惑した様子のメイドを走らせる。

この傭兵団がどんなモノたちかは分からないが、強いのなら是非とも確保しておきたい。そのためにもその傭兵団の行動力に免じて面会してやるわけだ。

数分でメイドが帰ってきて、話し合いの用意はできたと伝えられる。俺は早速傭兵がいるという部屋に行き、


「……傭兵とは随分と常識が無いものなのだな。まさかアポなしで公爵家に面会を求めてくるとは」


「え、ええと……申し訳ありません、ニャ?」


かわいらしく首をかしげる傭兵の代表。ニャ、という語尾から分かるように、所謂獣人である。獣人と言っても色々なタイプの獣人がいるのだが、この傭兵は猫の獣人。しかも、ケットシーのように猫が二足歩行しているように見えるタイプだ。


「貴様らの面談理由を、ワール公爵家長男であるこのアーク・ワール様が聞いてやろう。下らん理由であれば首を飛ばすからな」


「ひ、ひぃ!ゆ、ゆるして欲しいニャ!私たち隣国の紛争地域で活動してきたから、礼儀とかよく分からないニャ!」


隣国の紛争地域。このエーライ帝国は平和だが、他国はそうでもないのだ。戦争が起こっている場所も多い。だからこそ傭兵などの多くはそう言った場所に出て活動するのだが、


「わざわざ傭兵がこの帝国に来て何をするつもりだ?紛争地域より稼げる仕事は無いと思うが」


「そ、それは良いのニャ!もう充分稼いだから、皆ある程度の期間は暮らしていけるニャ!ただ、老後のことが心配で、できれば安定した収入が欲しいと」


「……安定という理由で選ばれるとは、公爵家も随分となめられたものだな」


俺は呆れた視線を向ける。礼儀とかよく分からないとは言っていたが、これはあまりにもひどすぎる。紛争地域出身のくせに、地雷を踏んでどうするんだよ!(ここは笑うところだ


「す、すみませんニャ!決して馬鹿にしてるわけではないんですニャ!!」


頭を下げてくる獣人。そういえば、名前すら聞いてないな。


「……まあいいだろう。今回は許してやる。とりあえずお前達は、安定した仕事が欲しいということだったな?」


要望を再度確認だ。


「は、はい!その通りですニャ!」


「……傭兵として雇って欲しいということか?それとも、仕事を紹介して欲しいということか?」


更に具体的な確認を。紛争地域出身ということなら、ある程度実力を持っているかもしれない。……まあ、勿論嘘の可能性もあるから注意はするがな。


「本音を言うと公爵家に雇ってもらうのが1番ニャ。でも、勿論私たちにできる他の仕事があるならそれを回して頂けたら良いニャと思ってるニャ」


ふむ。公爵家に仕事の斡旋をさせるとは良い度胸をしてるな。

……まあ、本当に何も分かっていないんだろうが。環境の違いとは恐ろしいものだ。他の貴族のところだったら確実に首を切られてるぞ。

いや、その前に門前払いをくらうから問題ないかもしれないが。


「……分かった。ならば、1日だけ雇ってやる。その成果次第で今後を決めよう」


「ほ、本当ですかニャ⁉」


「ああ。本当だ。日程は……」


俺は説明していく。ただ、詳しい仕事の内容は説明してやらない。

試験を兼ねてるからな。これくらいやってもらわないと困るんだよ。というか、俺が欲しいのはこれくらいを余裕でやってのける人材だ。ザコは必要ない。

と言うことで数日後。俺はスネールやクララなどと共に、また外出を。俺の管理してる土地へ向かうわけだ。そして、それに傭兵達も同行させている。


「アーク。大丈夫なのか?」


スネールは心配そうな表情を。傭兵が信用できるのかずっと警戒しているのだ。


「大丈夫かどうかは知らん。だから、それを見極めるためにわざわざ俺は移動してるんだ」


俺はそう説明する。そしてその言葉通り見極めるため、到着してから傭兵達に向かって試験内容を伝えた。


「今から行く場所には奴隷狩りがいる。そのアジトへ突入し、奴隷狩り達を無力化してこい。そこのアジトにあった財宝の分、お前達にはボーナスをやろう」


「奴隷狩りのアジトですかニャ?……分かりましたニャ。お前達!」


傭兵が部下に声をかけ、


「突撃ニャァァァァ!!!!」

「「「「ニャアアアァァァァァ!!!!!!」」」」


アジトめがけて駆けていった。傭兵達は代表の容姿と同じように、猫が立っているという見た目の傭兵がほとんどで足は短い。が、


「む?速いな」


「走るときは四足なんですね……興味深いです」


隣のメイドが俺の呟きに答える。興味深いといっているから、メイド達もあの走法を取り入れるのかもしれないな。……四足走法をするメイド。特殊な扉が開かれそうだ。

なんて会話もしながら数分後。


「終わりましたニャ!」


「うむ。ご苦労」


「そして、財宝類がこちらですニャ!!」


目を輝かせた傭兵が指さす先には、キラキラと光る宝石や絵画といった財宝が。そしてその隣には金も山積みにされてるな。相当な金額になるだろう。


「では、これらは回収していく。ボーナスには期待しておけ」


「はいですニャ!」

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