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14/42

14悪 悪は悪と手を組む

――――――――――――――――――――

達成済み

・10人以上を○○させる

 報酬:スキル『魅了の指1』


達成済み

・30人以上を○○させる

 報酬:スキル『魅了の指2』


・100人以上を○○させる

 報酬:スキル『魅了の指3』

――――――――――――――――――――



ミッションも達成できた。同じ内容のミッションが赤子の時もあったが、これは年齢が少し上がってから報酬が変わって新しくなったミッションだ。つまり、年齢制限ミッションの1つというわけだな。

ただ、おそらく赤子の時に手に入れたスキルの方が強力なのだと思われる。3歳と赤子では、できることが違うからな。難易度もハードとベリーハードくらい違うぞ。


「……なぁ。クララ。アークが俺たちの知らない方向に成長して言っている気がするんだが」


「そ、そうねぇ。でも、お金のない子のためだから悪いことをしてるわけでもないし……困ったわね」


俺の夜の噂を来たらしいスネールとクララがそんな話をしていたが……今度から少しだけ気をつけることにしよう。1日1人だけにしておかないとな。


「……金が足りないな」


さて、俺の金を使うところが今のところメイドくらいしかないのだが、それ以外にも使っていこうと思っている。公爵家だけあってこの年齢でも小遣いは多いからな。

……え?今金が足りないと呟いてなかったかって?

それはその通りだ。確かに一般的なものと比べると小遣いは多いが、それでも少し物足りなく感じる。悪が持つ金額としては少ないな。

ということで、


「……え?領地経営を勉強したい?」


「ああ。将来公爵家の仕事を自分で行なうのは大変そうだからな。小さい箇所を経営してみて勉強したい」


スネールに領地の経営をさせてくれないかと頼んでみた。ここで利益を上げれば俺の小遣いの額も上げて貰えるだろうからな。それに、後の布石のためにも持っておきたい土地がある。


「どこが欲しいんだ?」


「まずは失敗しても影響が出すぎないように……ここがいいな」


「分かった。……そこなら良いだろう。経済状況も治安も悪いが、頑張れ」


さらっと任せて貰うことが決まった。そしてその流れでスネールにはその土地の経営に関わっている者たちの所に連れて行かれる。顔合わせをさせられたわけだな。

挨拶が終われば早速、


「じゃあ、書類を見せてくれ。それと、ここまで経済状況が悪い理由の説明も」


現状把握を進める。


「は、はい!こちらが書類でございます!!……そ、それと経営が上手くいっていない理由の説明ですが、端的に言いますと盗賊が多いからです!」


非常に緊張した様子の青年が報告をしてくれる。上司の子供って言うのが微妙な立場で怖いんだろうな。普通は幼いから感情の起伏も激しいと考えるだろうし。癇癪を起こされたら溜まったモノでは無いのだろう。

そうして怯える青年にに少し同情しながらも、


「盗賊が多い?」


俺は気になったところに眉を潜める。


「は、はい!隣にエルフが住む場所がありまして、奴隷狩りが多くてですね」


「ふむ。なるほど」


この世界には奴隷が存在する。ただし、今回の奴隷狩りというのは違法に奴隷を獲得する者たちだな。闇のルートで違法な奴隷を流したりする者たちだ。

エルフという種族は見た目が美しく、奴隷としては非常に好まれる。そのため、そういう存在が住む近くには奴隷狩りが現れてしまうのだ。


「貴様らはその奴隷狩りとつながっていたりしないのか?」


「私どもですか⁉い、いえいえとんでもない!奴隷狩りとなんて関われませんよぉ」


慌てて否定された、少し感情の変化がおかしいな。焦りの種類が独特で、……これは嘘をついているな。

そう俺は確信した。だからこそ、


「そうか。奴隷狩りが厄介なら手を組んでしまえば良いのではないかと思ったんだが……そう上手くもいかないか」


「そ、そうですねぇ」


俺に同意する言葉がかけられるが、その表情の変化を見逃しはしない。焦りが消えて、別の感情が読み取れるな。これは欲を出す人間の表情だ。


「で、でしたら今度の視察に出るのはいかがでしょうか。公爵様のご子息であるアーク様が出るとなれば、向こうももしかすると会談がしたいと言ってくるかもしれません」


「ほぅ?……それなら良いのだがな。ならば行ってみるか」


こうして俺は、その治安が悪くて経済状況も悪いという噂の領地へ出掛けることとなった。少し俺の住んでいる場所からは遠いので、途中までスネールとクララとの旅行のような形となる。他の側室もいるらしいが、スネールは一切気にしていなかったな。相変わらずクララ一筋な様子だ。

そして途中から俺は別行動。護衛に兵士を連れて行く。ただ、本命として世話係という名目で大量のメイドも引き連れていく。俺の頭の中には、俺に毒を盛ろうとした暗殺者を蹴って倒すメイドの姿が鮮明に焼き付いているからな。こっちの護衛の方にもかなり期待だ。

行ってみるとあっさり、


「あんたたちがアークとその一行だな?」

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