即興詩『平均台』
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即興詩『平均台』
常識と非常識
その間の境界で
落ちそうになりながらも
落ちないようにバランスをとる
常識と非常識
その狭間でゆらゆらと揺らめき
時には躓きそうにステップを刻む
端から見れば楽しげにも見えるかなと思いながら
綱渡りのように常識と非常識の狭間に伸びた平均台を歩みつづける
時に曲がり
時に細くなり
尖ったところが足へと刺さる
常識も非常識も
進む毎に形を変える
時と共に変わりつづける
ひとときも気がぬけない
どちらかに傾くこともある
そうして狭間の道を進みつづけてゆく
時には危なっかしく進んではいても
きっと人には楽しく思えるのだろう
苦しいときには歩みを止め
周りの美しい景色を見渡す
悲しいときは上を見上げて
高い蒼空の青さを感じるのだ
歩むことはつらくくるしくとも
歩めることはしあわせだ
ステップを刻むように
ゆらゆらと揺らめきながら
二つのせかいの境界に延びてゆく
この危うい道を歩き続ける
いつかどちらかへとおちて
ここからいなくなるのかもしれない
できるならこのまま
このきょうかいのはてまですすんで
このはざまへとのびている
へいきんだいのいちぶになりたい
あとにつづくひとの
いしずえとしてそれをのばして
そうしてひととせかいをながめて
ずっとこのせかいをおもうのだ
ずっとずっとさきまで
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