第二十四話 優しい突っ込みは、盛り上がりに欠ける
トチです。前書きは短い方が良いと思ってます。
外はみぞれが降ったみたいです。
寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
お風邪や新型君などには十分お気をつけ下さいませ。
それでは 第二十四話です
メイの服を探してたら、エライ目に遭った。
さすがにドレスじゃと思ったけど、服屋見つける前に遭遇したよ。
新しい女でも連れてるって思われたか、そんなモテないよ俺。
俺の服は綺麗なセットアップだけど、まさかデートだとでも?
しかしなんだアレ!キツネの口からビーム出てたよ!
また暴走してるの?コンリーさんの避けて!も意味合ってたよ。
アレ喰らってたら、知らない天井どころか天国だよ。
メイを抱えたまま低い石塀の裏に隠れた。
「なんだアレ!ジオ〇グかよ、、?」
息を整えるのに深く吸う。
しかし埃っぽく辺りには砂煙が舞う。
「あれは火の杭だよ、収束が甘いけど」
メイを小脇から下ろして返答した。
「おっ?魔術詳しいんだな?」
「わたしも魔術使うよ、火は苦手だけど」
火なんか使ったら火達磨の火ツジだもんな。
「あのくらいなら、弾ける
お兄ちゃんのお願いなら、倒すよ?」
目をクリクリにして上目使いする。
あー駄目そんな目されたら、倒してって言っちゃう。
弾くのか?防ぐじゃなくて?
見つかっちゃうから、しゃがもうね?
手で頭を押さえながらその場に座らせる。
「けっこう物騒なこと言うのな?
でもねあの女の人は、お兄ちゃんの
お友達だから、たおしちゃダメ」
「なんでお友達に命狙われてるの?」
「ごもっとも!」
―ザッザ、、、ッ―
こちらに射している陽光にチラッと影ができた。
「、、、みーつけたー、、ヒヒッ」
逆光に立つミシンさん、そこ二階建ての屋上ですよ!
どうやって上った?民家の中を通ったの?
なんか理性のタガ外れてない?キャラ違うよ?
「その小娘を庇うか?キン!
私と小娘どちらを選ぶかここで決めろ」
これヤキモチなんだ~餅が消し炭になるわ!
喋り方ア〇シズの元カノみたいだし。
それじゃ狙いはメイか?メイに妬いてるのか。
今回は俺に来ないのか?もう全方位攻撃だな。
「んしょ、っと、お兄ちゃんはココで見てて
カッコイイとこ見せるから」
メイは石の塀をフワッと飛び越える。
まるで眠れない時に数える羊みたいに軽やかだ。
爪先を二、三度捻り地面を整え構える。
その姿を見下ろしてからミシンも何かの型に入る。
小狐座の聖〇士みたいに、両手で星座の軌跡を描いてる。
メイはメイで両手を胸の前で合わせてるし。
なに始まるの、千〇戦争するの?ム〇vsダ〇チで?
ゴールド対スチールだよパワーバランス偏っててキツネ負けちゃう!
事の発端は俺なのに勝手に盛り上がってるよ!
「覚悟は出来てるな、小娘!」
「手加減できないから、避けて?」
わわわ!なんか始まってしまう!止めなきゃ!
止めるってどう止めんだよこんなの!
俺が間に入って止まるのか?そんなアニメみたいな事、、、無理。
口元が光るミシンさんのキツネ!左右揃ってこっち向いた!
お稲荷さんの狛狐か!
メイの手の間には砂の球体が出来てる!?
大理石みたいにテカテカだし、玉浮いてるし!
「小僧!なんだこの状況は!」
どこからか聞こえる男の叫び声。
建物の壁面に反射し鳴音に変わる。
ツッコめ?って事か?
「お前ら!聖〇士星〇かっっ!!!」
辺りが静まり返る、、、スベッちゃった、、よね?
メイの顔つきが変わり状況が一変する。
両手に現れた拳大の光がたちまち増幅をし、
ミシンの背丈ほどの高さの球体に変わる。
その大きさを支えきれないのかフラッとした。
ビクッっと雷に打たれた様に震えるミシン、
途端に全身の力が抜けたかの様にフラフラとする。
しかし顕現した火の杭は静まらない、
光る両手のキツネ、キツネの耳は戦意を失う。
―バシュッュウゥッッ!!!―
倒れると同時に空に放たれる二本の光。
先程の物とは明らかに大きさが違う、
光は浮かんだ雲に穴を二つ作り雲ごと霧散した。
メイはその様子を見て唖然とする。
足元に玉がゴロっと落ち砂の様に崩れた。
「ギリギリか?間に合ったか、、、?
しかし無茶苦茶だな」
あの声の主は中年の男だった。
男は長い棒を肩に担いでいた。
着物の様な前合わせの服を着ており、
何よりその服は統一感のない色で仕上げられている。
奇抜で派手で、こんな色合わせは見たこともない。
そして妙に似合わない片眼鏡からこちらを見ている。
「ジジイ!」
「師匠!」
遅れて現れたコンリーと、メイが揃って声を上げた。
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男はジロッとこちらに眼差しを向ける。
肩の棒はどうやら傘の様だ、太さもそれなりにあり、
ビーチパラソルぐらいの長さで、閉じてはあるが
ぱっと見酷く派手である。
男はコンリーに何か叫ぶ。
「その娘を下ろしてこい、急いで処置する」
「、、はい、、いま、行きます」
何か堅苦しい関係に思える。
ジジイ呼びの関係じゃないのか?
コンリーさんの師匠って事だよな、馴れた師弟関係じゃないのか。
それにメイも師匠って言ったな?この関係も気になる。
そのメイは片膝を突き俯いている。
「メイ!使いはどうした!お役御免か?」
「いえ、、、私めは、、」
なんかみんな恐れてないか?
やっぱり先生は怖いもんなのか?
雰囲気的に体育教師みたいにも感じるけど。
コンリーはとても人の技とは思えない
跳躍力でトン、トンッと軽く家屋の屋上まで駆け上がる。
身軽すぎだろ?俺だって垂直飛び60センチだぞ?
あれ一飛び軽く2メートルは飛んでるぞ!
溜めもなく予備動作も少なく、あんな飛べないだろ?
男がこちらに近付いて来る。
なんか少し怖い気がしてきた。
身長はさほど高くないが、基本的な体の作りが違う。
俺とはまるで違う、筋トレとかのストイックな鍛え方だ。
まるで武術をしている人の体だ。
魔術の師匠で宮廷教師なんだよな?
魔術師にこんなゴツイ体が必要か?
「こ、こちらのニシキ様の、家族に、、妹になりました!」
「王室を抜ければ術を打ち放題か?うぬぼれんな!!!
経緯は知らん、だが一時なりも町で騒ぎを起こした
お前はそれをどう思う!」
「は、い、、すみません、、」
「王に使いを出す、お前が行け
事の経緯を包み隠さず報告してこい」
コンリーはミシンを抱え屋上から飛び降りた。
地面までもう数十センチの所で、緩やかに着地する。
透明なクッションを踏むように。
メイは立ち上がり、タッと走り出した。
起こした顔色は真っ青だった。
「んで?お前はなんだ?人属は途絶えたはず
なんでこんな辺境にいる?」
「お、俺は、、」
男は手の平を見せ制止する、息が止まる。
そこにミシンを抱きかかえたコンリーが近づく。
繰り返す呼吸が荒く、酷い風邪のような症状にも思える。
「まて、後でゆっくり聞く」
コンリーはミシンの背中から肩を支え男に診せた。
「お前は変わらんか?」
「はい、、、変わらず」
なにをするんだ?処置ってなんだ?
男は人差し指と中指を立てミシンの額に触れる。
そのまま腹部まで指を降ろし、今度は逆の手で口元に円を描く。
ミシンの周囲が揺らぐ、それはまるで蜃気楼の様だ。
上半身だけ空間が変わったように背後がぼやける。
次にコンリーにミシンの両手を合わせさせ、
腰の袋から紐を取り出し中指と手首を縛る。
縛り終えた紐をトン、トンと二度突くと、
紐の色が黒く変わった。
「まるで拘束ですね、、」
俺は口走ってしまった。
「お前が言うな」
男は静かに言い返す。
いかがでしたか?
少しずつですが各々の能力や個性を目立たせました。
パロディを詳しく説明する機会は別に設けたく思います。
PV数かブックマーク数が大台に乗った好日にお届けします。
伏字を少なくご説明できれば良いなと思っております。
造語の書き間違いルビに注意してます。
評価・誤字の報告など頂ければ、執筆の励みになります。
宜しければブックマークの登録もお願い致します。
次回 第二十五話 サブタイのサブタイ「老気横秋」
それではまたお会いできるのを楽しみにしております。
誠意執筆中です。




