第十九話 ノリ突っ込みって、乗った事を気付かせないテクニックもいるよね
トチです。前書きは短い方が良いと思ってます。
私はアニメが好きです、今期はゆるキャン△を観てます。
日常系のお話が好きですね。
お勧めのアニメって何かありますか?
それでは 第十九話です
メイさんは甲斐甲斐しく俺の前に料理を運んでくれる。
だが配膳する前に皿を一度テーブルの上に置き、
背中に背負っている凸みたいな形の踏み台をセットし、
そこを上ってから所定の位置に配膳する。
その後踏み台を下り凸みたいな踏み台を背負い直し、
俺の左の後方に立っている。
ぴょこぴょこ動いてて、とても愛らしいが
それをやらせている俺は鬼畜のように思える。
身長は椅子に座っている俺の肩より低い、
彼女の目線がテーブルの高さになっている。
一度皿を受け取ろうとしたが、あからさまに拒否された。
「御止め下さい、配膳は私の仕事ですので」
給仕される側にも粗相がある。
定食屋さんとかで、ついやってしまいがちだが、
ここでは彼女の仕事を奪ってしまう事になる。
"配膳は不必要"それはすなわち彼女の失業になってしまう。
俺が良かれと思っても、軽率な行動は慎もうと考えてしまった。
出てくる料理は塩気の強い物、野菜類は少ない。
俺は元々小食なので、少し多いように感じた。
もう食えないと思ったころ、カップに入ったお茶が出てきた。
食後のコーヒーみたいなもんか。
ブルーベリーみたいな香りのする紅茶だ、美味しい。
カップを口元からテーブルに戻すと。
厨房の扉の前に料理を作ってくれたのであろう、
男女が3人立っている。
「今日も美味かった、この者と話がある下がって良いぞ」
ソウサがそう言うと、胸に手を当て会釈をして部屋を出た。
ワードさんとメイさんも続いて出ていく。
「メイは待て、お前は残れ」
背中の凸がビクッと揺れた。
ソウサがなんか怖い。
「はい、、」
その場で振り返り、うつむいている。
なんか失敗したの?俺には分からなかったよ?
俺が皿受け取ろうとしたから?
「メイはニシキの給仕を行い、どう思った
物言いは、かまわん話せ」
「はい、、大変ご無礼な事を申し上げますが、、
とても給仕が、し辛く感じました」
「なにゆえ?」
ガタガタ震えてんじゃん、もうやめよ。
「そ、それは、、ニシキ様がこちらを見られており
私めに粗相がないか、注意を払っておられると思い、、」
メイさんはそう言うと両手を膝の下まで降ろし
ベッコッと腰を曲げた。
―ゴツッ―
背中の凸が後頭部に当たる。
「大変なご無礼を働きました、お許しください」
ソウサは俺の方を向き、片目を瞑った。
んだよ?それ、叱れって言ってんのか?
俺にそんな事が出来るわけ無いだろ?
「ん、でどうする?ニシキ?」
「いや、メイさんはしっかり給仕してくれたよ
一生懸命やってくれてたし、
無礼な事なんてなかったよ!
小さいのに頑張ってるな、偉いなって思ったよ!」
ちょっと大きな声出してしまった。
「という事だ、メイ下がって良いぞ」
メイさんは顔を上げ、ててってと部屋を出た。
その顔は今にも泣きそうで、目一杯我慢をしていた。
―カチャ、パタッン―
「なあソウサ、あれは意地悪くないか?
俺が悪者になるのはいいけど、アレ虐めだぞ?
メイさんは何か失敗したのか?」
「ニシキは質問が多いな?説明しないと駄目か~」
面倒なのか満腹なのか、ため息をつく。
「あれじゃ蛮族の王、じゃなく暴虐の王だよ
詳しく説明、も・と・む!」
「面倒だな~」
手を二度叩きワードさんを呼んだ。
「お呼びでしょうか」
「あぁ悪い、メイの事話してやってくれ」
「宜しいので?」
「かまわん、満腹で眠い」
そう言うと腰をズルっと落とし、ひじ掛けに頬杖を突き、
目を瞑ってしまった。
「それでは、私めからご説明をさせて頂きます、、、
メイさんは大陸の避難民で、20年前ソウサが保護をした。
親は大陸に残りメイさんだけがこちらに移って来た。
まだ幼児であったが、他種族の移民者を
受け入れられるほど、この国の民は裕福ではなく、
執政前のソウサの願いから、王室で召し抱える事になった。
まだ幼児ながらも、執事や給仕の仕事を真似て、
いつか王室にお仕え出来るよう、ひた向きに頑張っていた。
しかし他種族である、表向きの晩餐の場や公事などでは、
仕いを差し控えるよう言われていた。
対外的によろしくない、なぜ王室が他種族を、
召し抱えているのか?奴隷ではないか?と思われてしまう。
生業としての従者は良くとも、奴隷としての従者は、
世間体として良くないのだと。
それが他種族であったなら尚更そう思われてしまう。
それでもメイは助けて頂いた恩義に報いる為に、
王室に居続けた、それを不憫に思ったソウサが、
アテノに連れてきて、今後はここで仕えるよう言い渡れた。
ソウサが目を開きこう進める。
「でだ俺はな、アレが普通の
子供のすることではないと思っている」
大きく息を吸う。
「メイにどう思った?って聞いたよな、
アレは給仕をしているメイの心の事で、
仕事の内容じゃないんだよ
そうだな、、例えば砂漠の民以外の人属を見てどう思ったか?
、とか、、、悪い」
また俺を使ってなんか私用としてる。
「なんかな、そろそろ自由を感じても良いと思った
アレはまだ幼い27と言えば親と過ごすのが当然だ
従者の生業に、徹底する幼児ってどう考えても変だろ?」
俺も実家で暮らしてるし、そう思いたい。
国のためソウサのためになんだけどな、、、
そんな簡単に変だなんて言えないよ、俺には。
「だから、ニシキに預ける、たのむ連れ出してやってくれないか?
もっと外の世界を見せてやりたい」
「ダメダメダメダメ、俺に余裕がない!
それに、そんな厄介払いみたいな言い方は良くない!」
そんなこと易々引き受けない。
「違うって!アレが卑屈なのは、他種族の中に一人でいるからなんだ
お前と一緒ならば、寂しさを少しも分かち合える
そうすれば年相応を取り戻せるんじゃないか?
俺はメイが不憫でならない、、なぁ頼むよ」
無理だよ!ミシンさんにまで守られてるんだ。
「理由は分かったけど、俺だってこっちの事を知らないし!
そんな簡単にいかないよ!」
頑張れ!俺!押し切れ!
「だったら!妹って事にしてもいい!
アレに家族の幸せだって与えてやりたい!」
、
、
、?!
「、、、そ、そこまで、ソウサに頼まれたらなー
し、仕方ないなぁー、ホントはダメなんだよーでも、
そんな大役、俺ぐらいしか出来ないしなー
ソウサはホントしょうがないなぁー、俺が、、ぜひ引き受けてやるよー」
「ほんとか!?やっぱり俺の目に狂いは、なかった!」
ゴメンソウサ、お前の目フォーカス、イカれてるな。
俺に信念はないが憧れがあったよ。
妹メイドなんて男の憧れじゃないか!
ホント邪でスミマセン、縦縞なんて寝てしまえば横縞です。
、、、大変な事を引き受けちゃった。
ミシンさん怒るかな、怒るよな、、、
俺たちはその後、メイさんの今後の扱いや、
俺の知らない彼女の話で話題を深めた。
カップの紅茶が底をついた頃。
うつらとしてしまった、目に鳩が止まっている。
瞼がたまに痙攣してしまう、目頭を押さえても収まらない。
ピクッとするたび物が二重に見える。
そういえば今日はいったい何時間起きてるんだ?
時計を見るも若干ぼやける、23:17
あぁ離受盤もう使えないじゃんって思った。
そんな事より眠い、どこで寝るんだろ?
「ニシキそろそろ寝るか?案内させるからちょっと待て」
察してくれたんだ~ホント良い奴だよ。
床がグルングルン回る。
「、、ん、あぁ、悪い、、そうさせてもらう、」
あぁ、、多分、無理っぽい、、ここで、、良いよ、、、
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誰かが連れてってくれてる、悪いなぁ、俺重いだろ、、、
おれ、も、、す、ご、、く、、、ねむ、、い、、、
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―ドサッ、、シュッ、、スッ、、、―
いかがでしたか?
ソウサは基本的、従者には厳しく接します。
ワードからそうするように言われているからで、
気楽に接したいというのが本音です。
理由は肩が凝るかららしいです。
造語の書き間違いルビに注意してます。
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次回 第二十話 サブタイのサブタイ「安眠打破」
それではまたお会いできるのを楽しみにしております。
誠意執筆中です。




