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チョキンとミシン ~パラドックスは足元が見えない~  作者: トチ
第一章 ここに至るまでの経緯とかなんとか
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第十八話 噛み合わない方が面白い事もある

トチです。前書きは短い方が良いと思ってます。

最近コンビニでマスクを買いました。

ペンギンのワンポイントが付いてて可愛いです。

口に張り付かなくて、とても良い感じです。


それでは 第十八話です


 ソウサに俺が特別な人属(ヒューマン)ではない事を説明中だ。

俺の生まれやら、立場(たちば)やらを一通り説明したが、

砦の者達にそれを説明するのは面倒だと言われた。

首から俺の説明書きを下げようかと思ったが、

字が分からないし、大きな名刺(めいし)をブラ下げてるみたいだし。

名刺の裏にビッチリ会社概要(がいよう)やらスキルとか書いてあっても、

実際読まないでしょアレ?見てるの表の名前と役職(やくしょく)だけだよ。

それと同じになってしまう。

面倒くさいからこれまで通りにしてろって事になった。

なんなら少し(えら)そうに(ふる)るまえって、ソレは無理だな。


 食事する専用の部屋って長いな"ダイニング"でいいか。

そのダイニングに入る前、ウチの母ちゃんぐらいの

女性が扉の前に現れ、自然と扉を開け部屋に入れてくれた。


 ―カチャ、ッ、―


 中に入ると、コレ何人用のテーブルなんだ?

俺ん家の八畳の部屋には入らないぞ?

そこに椅子が二脚だけ、、なんか(さび)しいなコレ。

ダイニングは基本ソウサしか使わないんだろうな。

奥には男性の執事(しつじ)?と女の子?がいた、小学生ぐらいか?

身なりは二人とも綺麗だが、親子みたいな関係に思えた。


「お帰りなさいませ ご主人様、ささこちらへ」


 男性はソウサの方へ、女の子は俺の方へ来て。

各々(おのおの)が座る席に案内をしてくれた。

この女の子が俺の給仕(きゅうじ)をしてくれるって事か?にしても、、、

どう見ても体格(たいかく)が小学生だ、髪の毛モフモフだ。

上から下まで(なが)めると、(ひじ)から先と(ひざ)から下もモフモフ。

(かぶ)っているキャスケットみたいな帽子もパンパンだ。

耳はミシンさんやソウサと違って尖ってない、

長いけれど真横に下がってる、ん?耳にも毛が生えてる。

肌の見えている個所(かしょ)は真っ白でナイス色白!って思った。

女の子は椅子の前でチラっとこっちを(うかが)う。

マズいマジマジ見すぎた、良くない見すぎだ。

(あわ)てて席に座った、女の子が椅子を腰に合わせてくれる凄いな。

男性の執事が、右手を胸に当て何か始めるみたいだ。


「お初にお目にかかります、私はワードと申します

 以後(いご)お見知りおきを、これよりお客様のご滞在(たいざい)におかれましては、

 この者が身の回りのお世話をさせて頂きます」


女の子は胸に手を()え、ペコンとお辞儀する。


「メイと申します、何なりとお申し付け下さい」


 優雅(ゆうが)に挨拶するな~俺のお世話か~、、、それ()()()

これが夢にまで見た()()()

怖くて行けなかったメイドカフェとは違う!

興味はあったし、たまに聖地(ア〇バ)で見かけて可愛いなって思ってたけど。

いまあそこら辺スゲー怖いじゃん、裏に怖いお兄さんいそうじゃん!

新〇浜のポン引きと変わらないじゃん!ボッタクられそうだし!

もうね欲しい物あっても行かない、ヨドか密林(アマ)しちゃうもん。

ポチッた方が安心安全だもん。

だけどこの子は違う!リアルな本物のメイドさんだ!!!


 無言で(こぶし)を振り上げた!ビクッとする一同。


「お客様なにか、メイが粗相(そそう)をいたしましたか?」


「、、、いや、めっちゃ(うれ)しいです」


「、はぁ」


 ワードさんは不思議そうな顔をした、まあ説明はしない。

この子の口癖(くちぐせ)が"んなぁ~"だったら良いな~

なんて口が()けても説明しない。


 そんな事したらカートリッジ(身代わり)にされちゃうもん。


-------------------------------------------------------


 とりあえず食前酒(しょくぜんしゅ)って事になったんだが。

あんまり飲めないんだよな、強くないし梅酒(うめしゅ)ぐらいなら、

()って飲めるけど、普段からそんなに飲まない。

うちは父さんしか飲まないし、俺も付き合いでしか飲まないしな。


「どうした?酒は好きじゃないのか?もう飲める年だろ?」


「いや、あんまり強くなくて」


 突き出した酒瓶(さかびん)を引っ込めた。

王様の(しゃく)を断ったけど、アルハラは良くないしな。


「そうか、でもアテノは酒より水の方が高価(こうか)だぞ?

 少しぐらい慣れておかないと、この先(つら)いぞ?」


 そうだよな水は貴重でまぁ高価だよな。

酒は保存が()くけど、水は(くさ)りやすいってさ。

でも水分補給(すいぶんほきゅう)で酒はちょっと(いただ)けないよな。


「酒を始めたのが遅いって事か?」


「いや、4、5年前ぐらいからだけど」


「ならまだまだじゃないか~

 俺なんか酒になれるのに40年も掛ったんだぞ!」


「え?なに待って40って、年なの?熟成期間(じゅくせいきかん)の話?

 お酒は二十歳(ハタチ)になってから、だよ。

 飲み始めたのいつよ、ソウサ(とし)いくつよ?」


「ん?俺か?俺は今年で136だぞ」


 薄々気付いてたよ、なーんかエルフぽいって。

ちゃんと質問しなかったしな~

俺のエルフイメージは森の守護者(しゅごしゃ)って感じだから、

砂漠の民ってのは違和感(いわかん)バリバリなんだけど。


「えと、俺が25歳だとしたら、どう思う?」


「ガキは(ウチ)に帰ってママのおっぱいでも飲んでな!って思う」


「これが翻訳の真の形か、、ワイルドだなぁ」


 これは説明しないとダメだなと思い、重い口を開いた。

人属の寿命(じゅみょう)はせいぜい、100歳ぐらいで、

まあ俺なんかは成熟した若い部類(ぶるい)に入るんだよって。

酒は20歳()えたら飲んでも良くて、

俺は人属でも酒が弱い方だって説明もした。


「凄いな人属(ヒューマン)は!我らが大人として(みと)められるのに

 80年とかかるのに、アッという間に大人か!」


 じゃないよ。


 それだけの時間で同じに成長するわけ無いでしょ?

今の俺が80年生きたらお爺ちゃんだよ、紀寿(きじゅ)()えだよ。

酒に慣れる前に寿命来ちゃうよ。

しっかし大人になるまで80年か、色んなことが出来るな。

でも勉強とか苦痛(くつう)だよな?それだけ知識(ちしき)も増えるな。

酒も飲めるようになるかな?肝臓(かんぞう)壊れそうだけど。

それに長く生きるってどんな感じなんだろう。


「お待たせ致しました、前菜(ぜんさい)はガーリモの実を使った、

 "ジャ・ガーリモのニーコロガッシ"です、あついので、、、」


「じゃがいもの()(ころ)がし!マジで!」


 ケツが()いた。


 凄い(なつ)かしい味がする、、、温かいスープだった。

二度と名前で驚いたりしません。

二度も驚かせてごめんね、メイちゃん。

煮っ転がしじゃなかったけど、美味しかったです。


-------------------------------------------------------


 ちょっと気になる事があった。


「ねね?メイちゃんはいくつなの?」


「わたしは27です」


 メイさん年上(としうえ)だった。


いかがでしたか?

ワードさんメイさんが新たに参加しました。

デレク・ワード、メイ・ルイスがフルネームです。

ソウサの執事二人も愛でて下さいね。

造語の書き間違いルビに注意してます。

評価・誤字の報告など頂ければ、執筆の励みになります。

宜しければブックマークの登録もお願い致します。


次回 第十九話 サブタイのサブタイ「離郷背井」

それではまたお会いできるのを楽しみにしております。

誠意執筆中です。

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