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チョキンとミシン ~パラドックスは足元が見えない~  作者: トチ
第一章 ここに至るまでの経緯とかなんとか
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第十七話 家の事をネタに入れると、人情味が出る

トチです。前書きは短い方が良いと思ってます。

たまにご飯を作るのが、面倒になる事あります。

そんな時は30本入りの徳用チョコを食べてしまいます。

2本ぐらい食べると胃に勢いがついて、料理をしたくなります。


それでは 第十七話です


 やっぱり最終目的地はここだよな。

町の中心地にあるひと(きわ)大きな建物の前に到着した。

入り口であろう門は木製ではあるが、金属で補強してあり、

素材と見た目で堅牢(けんろう)さが分かる。

壁はさほど高くはないが4メートルはありそうだ。

門の両脇には"かがり火"が灯されており、

若い衛兵(えいへい)が門番をしている。


「帰ったぞ、こいつは連れ、顔(おぼ)えろ~」


 衛兵はやはりと言うか、胸に手を当て"ハッ"と返事をした。

だが門は開かない、ソウサは門の右手の家屋(かおく)のような扉に向かう。

こっちが普段使う用の勝手口みたいなもんか。

衛兵がその扉を開けると、そこは狭い通路になっており。

通路の上にはランタンの明かりが見える。

左右には武具(ぶぐ)だろうか、それが整然(せいぜん)と並べてあり、

二人の兵士が横になって寝ている。

ソウサは人差し指を立て、それを口に当て俺に見せた。

静かにって事か、ほんと優しいんだな。

細い通路を二度曲がると、扉がありソウサが開ける。


 扉の隙間から()れた光が少し(まぶ)しい。

目の前に現れた建物は二階建てではあるが、左右に広い。

正面には扉がなく、今度は左手に進み始めた。


「なあソウサ、なんかこの建物()じゃないか?

 なんて言うか、化け物を想定(そうてい)してないみたいな、、」


「ニシキは(するど)いな、ココは元々他種族(アザートライブズ)の城だったのを

 わが国が攻め落とし、以降は使わせて貰ってる」


「じゃあ種族間の(あらそ)いってのはあるんだ、、」


「まっそういう事だな」


 軽く言うが戦争だよな、斯の地(あっち)が平和なんだよな。


 ソウサの部屋も建物の中心とは離れた場所にあるらしく、

外部からの侵入(しんにゅう)に対しても徹底してるなと感心した。

部屋の案内より"先に(メシ)食おう"と言うので、食堂へ案内してくれた。

食堂というより、食事専用の部屋って事みたいだ。

王の食事は他の下々(しもじも)の者と列席(れっせき)してはならないとの理由で、

別室で食べることになっているらしい。

俺の(あつか)いは()()じゃないって事か?


「ななっ俺一緒に食べて良いのか?俺身分(みぶん)高くないぞ?」


「なに言ってんだ、昼だって一緒だったろ?

 それに(あるじ)なんだろ、一国一城(いっこくいちじょう)の?」


 大きく息を吸う、あぁなんか久しぶりだな、、、


「ソウサ、いや王様!勘違いされてます。

 わたくし生まれ育ちも、葛飾柴又(トラさん)でも御座いません!

 普通のサラリーマンの家庭で普通に育ち、

 学業も大学中退ですし、生業(なりわい)も古着屋だし。

 これといった(たしな)みもバイクにキャンプだし、

 造詣(ぞうけい)が深い事といえばゲームにアニメですよ。

 ヲタクの王道全開まっしぐらですが!

 主でも王でもなんでもございません!

 (つち)です!私は土で結構です!画数(かくすう)文字数がもったいない!

 ほんと勘違いマジで勘弁してください、、、」


 ソウサは半分以上理解してないようだ。

そんなこと出来る訳ないが、一語一句(いちごいっく)間違ってもいない。


「ソウサってドジっ子?」


「ドジっ子ってなんだ?」


 ドジっ子の説明には5分(よう)した。


-------------------------------------------------------


 母親はいびきをかかなかったが、女狐(めぎつね)はうるさい。

モニュメントは少しだけ(くず)れてた。

私は寝室として借りた部屋で、オーナーに定時連絡をする。

アッチの事はキンもひた(かく)しにしていたし、

連絡は見つからないよう(ひそ)かに行う事とする、ラジャ!


…、、、そんな事になってるのね、、

 なんで千代田君からの連絡じゃないの?彼は無事なの?

 いま連絡は(きび)しいの?それとも疲れて寝ちゃった?…


…いいえ、いちおう無事で、ただキンが拉致(らち)されて…


…ちょっとソレ無事じゃないわよ!…


…、でオーナーに相談なんですが、、…


…なに?千代田君の救出作戦プラン?…


…手から火が出ない、普通の女の子になるプランを、、、…


…、、ちょっと意味わからん…


…キンはきっと無事です、ボーイズ的なアレさえ受け入れれば…


…この子、、頭を(ふく)めて色々無事じゃない!…


…え?無事ですよ、(くさ)ってないよ、、、フヒ…


…メンタル事故ってるじゃない!一体何があったの、、…


 それからニブ男(キン)の話をしてアホ(ソウサ)の話して女狐(コンリーさん)の話して、

なんか色々あって暴露された話をした。

本当はこんな形じゃなく、ちゃんとしたかった。

ちょっと小さなカフェとかで、自分の口から言いたかったの。

泣いた顔じゃなくて、笑って言いたかった、それなのに、

なんだよ!好きな人を殴るって、そんな女の子いないよ。

"ツンデレ"じゃなくて"ツンボコ"だよ、、、"ボコデレ"かも!

アニメの女の子が照れ隠しに可愛くポコポコ(たた)いてる、

そのぐらいの強さにした(はず)なのに(すご)い吹き飛んだ。

異常なくらい飛んでった、私の腕力はそんなにないから!

もう(パワー)がゴリラだよ!腕っぷしで恋の縄張(なわば)り争いしてるよ、、、

なのに怒りもしない、私を悪者にしない。

ちゃんと(あや)ってもない、私からの返事もしてない。

こんな場所なのに(こた)えてくれた、錦君に(こた)えたかったのに、


…なのに、なのにぃ、つれて、、()れてかれちゃったよ!

 わ、わたしが、ちゃ、ちゃんとしてれば、、…


 ―ズズッ、、 ゥゥウゥ、、ズッ、、ゥ―


…あなたはずっと泣き虫ね、あの時も泣いてたし…


 フワッと背中から暖かい、そして重い、デカい。

女狐に抱き着かれた、、、ぁあ゛


「ごめーんね、早い方が良いかと思ったの

 これが"ツウシン"か~声を転移させてるんだ~」


…ミシンちゃん?そこ誰かいるの!?…


 それからがめんどくさかった、、、

アッチの話とコッチの話を交互(こうご)に交互に説明させて、

初めましてと自己紹介やら、お世話になっておりますだの。

学校の三者面談(さんしゃめんだん)か、忘れ物を届けに来たお母さんと先生のやり取り。

お互いの仕事の話なんかマウントで殴り合いしてるし。


 挙句(あげく)()てには、やれ私に告白させるべきだったとか、

きっかけを作ってあげたのだとか、余計(よけい)な事しないでくれる?とか

引込(ひっこ)思案(じあん)はあなたのせいとか、責任取れんのか魔術師!とか、

うっさいわ放蕩者(ほうとうもん)!とか、ちょっと面貸(ツラか)せだの、お前が来い!だの、

バーカ、アーホ、(だま)れ、お前が黙れば黙るんじゃ!と。

語彙力(ごいりょく)が底を突き、最終的に"上手くいくよう上手くやって"と、

オーナーが()れる形を取った、途中まで大人な対応だったのに。


「結局ソウサは、オレ様なの」


 コンリーさんが意味深な事を言って(まく)を下ろした。

オーナーが"ジュル"っと(つば)を飲んだのも聞き逃さなかった。


…それじゃ、また連絡入れてね、無理しちゃダメよ…


…うん、、…


 ―コッンッ―


 コンリーさんが私のベットに寝ころび、

自分の(まゆ)を触りながら話す。


「やっぱり好き?」


「うん」


「好きってね、痛くて苦しいの」


「ん?」


「その治療(ちりょう)にはね、、、」


 二人きりの女子会が夜更(よふ)けまで続く。


 私はいつの間にか、コンリーって呼んでた。



いかがでしたか?

ソウサの真っすぐさ、コンリーの優しさ

少しでも伝わりましたか?

次回は二場面はしませんが、お楽しみください。

造語の書き間違いルビに注意してます。

評価・誤字の報告など頂ければ、執筆の励みになります。

宜しければブックマークの登録もお願い致します。


次回 第十八話 サブタイのサブタイ「老少不定」

それではまたお会いできるのを楽しみにしております。

誠意執筆中です。

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