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チョキンとミシン ~パラドックスは足元が見えない~  作者: トチ
第一章 ここに至るまでの経緯とかなんとか
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第十五話 突っ込まれないボケは、それはもうボケではありません

トチです。前書きは短い方が良いと思ってます。

コーヒーの備蓄が切れて、コンビニにお買い物へ行ったら、

マスクをしていない事に気づき、慌てて家に帰った次第です。

家の玄関にマスクチェッカーが欲しいです。


それでは 第十五話です


 私です、起きたらキンがいませんでした。

こめかみがズキズキするのは熱のせいだと思う。

大きな怪鳥(かいちょう)(おそ)われる夢を見てしまったヤバい。

色々あって色々恥ずかしくてもう仕方(しかた)がありません。

バレたらバレたで強行(きょうこう)するつもりだったし、

それであのニブ男(キン)(みと)めるとも思わなかったし。

なぜこの女が上から見ている?

つまり私がこいつに()したという事か、無念(むねん)なり。


「二度目のおはようかな?

 あなたは少し頑張りすぎたの

 なので、しばらく頑張らないように

 彼とは(はな)しま~す」


 このお店、お爺ちゃんの家みたいな匂いがする。

嫌いな匂いじゃない、でも寂しくなる。

もう会えないのかな?なんて思わない事にする。

悪いイメージは(あゆ)み方まで悪くする、

ってお爺ちゃんが言ってた。


「キンは?どこに行ったんですか?」


 膝下を床に下ろして、上半身を起こす。

少しだけ体が熱臭(ねつくさ)い、あちこち痛い。

髪ぱっさぱさ(くちびる)ぱっさぱさ、これは嫌がられる。

女子っぽくない。


「うん、ソウサの別宅(べったく)に向かった~

 心配しないで?ソウサの家は警護(けいご)万全(ばんぜん)だから」


 そう言いながら自分が着ているローブと

同じような服を(かか)えて持ってきた。


「ミシンちゃんにはこれから

 疲れない(ひま)つぶしをして貰うね~

 まずはこれに着替えて」


 ローブなんだし上から着れば良いか。


「あ駄目ダメ、肌とローブが直接触れるように着てね

 ローブの下は全裸(まっぱ)でね~」


 うぅー変態(へんたい)か?ソウサも変態だったけどこの女もか。

私の()がれ落ちた皮膚細胞(ひふさいぼう)をローブで回収(かいしゅう)して、

無限に私のクローン作るつもりか!

個々の体格維持(いじ)が大変だろ!

私たちを並べて何をさせる気だ!

ア、アル〇リズム体操、、だと?ヤメて!ヤメてよ!

そんなことしたら、最初と最後の私しか注目されないじゃない!

途中経過の体操はみんな見てない!間の私だって頑張ってるのに!

でもクローンが出来たら出来たで、私の夢が(かな)う!あの有名なセリフが言える!

真実(しんじつ)を見せてあげるわ、ってリ〇コさん的なのが欲しい。

しかしこの女が私の夢など知る(よし)もない、まさか私の体が目当てか?

既成事実(きせいじじつ)を作るために、手っ取り早く事を()ませるつもりか?

"先シャワー()びて来いよ"的な、ゲス女め!


「いやらしい意味はないから、わたしは普通だから」


 本当にホントだろうか?

油断(ゆだん)させてからガブっと行くつもりか?

赤ずきんちゃんはそうして狼にやられた、

あいつは危機感(ききかん)がなさ過ぎた、(あま)ずきんちゃんめ。

赤、、そう私は赤い色は嫌い、なぜならあの子も赤い色が嫌いだから。

だけど"最低だ、俺って"は、いいなぁ、アレはギリセーフ

(じか)に触ってないし、副菜(ふくさい)で食べられただけだし。

対象が2号機(ツンデレ)の人ってのが気に食わないけど。

私としてはダ〇ープラントで興奮(ハァハァ)して欲しかったな。

あとあと、キンの"フィー〇ド全開"は良かった。

あれはきっと"受け止めるから付き合って下さい"だよきっと!

私に答える余裕(よゆう)(イチ)ミリもなかったけど。

たぶん"親方!空から未来のお嫁さんが、、"って言ってたきっと。

、、、けど今は私の貞操(ていそう)を守らなくてはならない。


「嫌だと言ったら?」


 二ヤっとしたな!私とヤル気か?


「その時は彼を(いただ)くだけよ?」


 しまった!キンは人質(ひとじち)と言う事か?やられた!


-------------------------------------------------------


 そういう妄想(もうそう)が好きだ。

本当は汗と砂埃(すなぼこり)で服が汚れてるから着替えてと。

お下がりのローブしかないけどそれあげるわって。

下着のお下がりは嫌でしょ?

それじゃあパッと洗って乾かしちゃうから、

悪いけどローブだけ羽織(はお)っててと言って。

コンリーさんは店の裏手に行った。

ふぅ私の貞操は守られた、にしてもスース―する。

コンリーさんは私のパンツを見ながら、

"可愛い""この(がら)ステキ”とかマジマジ(ひろ)げてた。

私の妄想よりも変態だった、まさに()なり。


 あー(つい)に言ってしまった。

こんな変な場所で本心(ほんしん)さらけ出してしまった。

それもこれもあの変態女のせいだ。

私は"転移(リプレイス)"の事を聞きたかっただけなのに、

やれ"彼氏なの?"とか"結婚は?"とか。

そーゆーんじゃないんですって言ったら、

"じゃあ、わたし良いわよね?"ってボソッと言うし。

キンの手を握って告白するのかと思ったら

私の事を暴露するし、あの雌猫(めすねこ)め!


「やる事なくて暇でしょ?

 じゃあさ、ちょっとお勉強しようか~

 さっき言ってた暇つぶしをしよう」


 ちなみに私の妄想はローブを着る前からで、

"疲れない暇つぶし"はホントで何かやるらしい。

なんか持ってきた、水差し?コップと台座(だいざ)に立てられた棒。

アロマの棒?ディフューザー?紫色の棒が一本。


「お水は適当に飲んでね~

 じゃ始めよっか」


 コンリーさんは右手で(ちゅう)の何かを()まんだ。

小指を立てた手を棒の先に近づけ、

摘まんだ指をフワッと広げる。

すると棒の先から細い煙がでて赤く光った。

線香(せんこう)みたいだ。


「これはわたしの純粋(じゅんすい)な魔術

 オドを通さないイメージで熱を()した

 この火は息を()き掛けても消えないの」


(あた)りに部屋と同じの、でもより強い香りが漂う。


「ミシンちゃんにはこの火を

 さわらずに道具を使わず、消してもらいます

 水は掛けちゃダメ、消えちゃうからね」


ヒラヒラと手で(あお)ぎながら煙を広げている。


「それは消えない、時間が()って

 燃えきるのを待つしかない」


「それは知ってる、ここからが(かなめ)

 この火を消すイメージを作ってね~

 冷やすとか()れるとか、

 どうして火が()いてるの~?とか、

 ミシンちゃんなりのやり方で良いから

 ちゃんとイメージ出来きたら消えるから」


 想像は得意、けど想像は想像で、

実際に物事(ものごと)が変化することはない。

火が点くには"(ねつ)""可燃物(かねんぶつ)"と"酸素(さんそ)"が必要

そんなの小学校で習った。

酸素は周りにあるし、可燃物は棒。

後はどこから熱を持って来た?だけど、、


「そうそう根詰(こんつ)めたらダメよ

 イメージがブレるから、

 じゃあ~火が消えたら教えてね~」


 コンリーさんは周りに()らばっている布を集め

くるくるッと丸め抱えてソファーで寝てしまった。


「イメージ、イメージ、、か」


 私は熱を感じながら火の先端(せんたん)を見つめた。


-------------------------------------------------------


 ―フッゥ!ハァッ!、、フッ!、ハァ!―


「ミシンちゃん?それ駄目よ~

 だってそれ素振(すぶ)りだもん」


 ソファーから横になったまま私に言う。

変態雌猫が起きたようだ。

起きる前に消してやりたかった。

しかし見ていろ、起きたこのタイミングで消してやる!

私のイメージは出来た!(かた)まった!

火に触れずに消すにはコレだ!


「かすっただけでって!   ―フッ!―

 アン〇ェロが言ってた!  ―ハァッ!―

 ビーム〇グナムぐらいの! ―フッゥ!―

 威力(いりょく)があればっ消せる!  ―ハッ!―」


 私は手刀(しゅとう)で火の点いた棒をギリギリ攻める!

まだ遠いか?ビームの威力が足りないか!


「ダレ~それ~?ビーム〇グナムってなぁに?」


 ―ハッッ!!―


 ()ばし切った手が火に触れてしまった!


 ―ジュッ―


「んきゃ! ぁちゅちゅ、ぃょぉ、、、」


 コンリーさんが手当(てあて)してくれた。

根本的(こんぽんてき)な事がブレブレで間違っていると言われた。

だが私の作戦は合ってる、鍛錬(たんれん)が足りないだけだ。

失敗を認めて次の(かて)にすればいい、それが私の特権(とっけん)だ!


「ごはん食べよっか?」


「うん」


いかがでしたか?

今回はミシンさんにスポットを当てました。

ミステリアスに憧れる、キュートな女の子なので

彼女の活躍もご期待下さい。

造語の書き間違いルビに注意してます。

評価・誤字の報告など頂ければ、執筆の励みになります。

宜しければブックマークの登録もお願い致します。


次回 第十五話 サブタイのサブタイ「彼方此方」

それではまたお会いできるのを楽しみにしております。

誠意執筆中です。

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