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チョキンとミシン ~パラドックスは足元が見えない~  作者: トチ
第一章 ここに至るまでの経緯とかなんとか
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第十二話 オチって決まり文句ありますよね?

トチです。前書きは短い方が良いと思ってます。

普段生活でお話のネタをパッと思い付いたときに、

何か形に残さないともったいないと思い。

スーパーの中でも立ちどまり、手帳にメモしたりします。

買い物のメモを修正している変な人に見えますね。

邪魔にならないように隅によります。さらに変な人ですね。


それでは 第十二話です


 また倒れられても困るのでコンリーさんに、

敷物(しきもの)と枕になりそうな物を借りた。

そんなにならなくても良いのにって思ったけど、

俺も心を(のぞ)かれたらあーなるかな。


「彼女強いわよ~でも君をここまで連れてくるのに、

 大分(だいぶ)無理してる、それに気付けない君でも無いでしょ?

 今日会った私が言う事じゃないけど、さ、

 、もう少し優しくしてあげなさい?ね?」


「、、はぁ、優しく、ね、」


 俺とソウサ、コンリーさんは広間に戻る。

ミシンさんを寝かせた簡易ベットの隣の部屋で話している。


「みんなでベットを(かこ)んでいたら、

 彼女気付いても起きられないでしょ?

 となりの部屋で待ちましょう」


 コンリーさんの提案(ていあん)だった女性らしい気遣(きづか)いだな。

ソウサは大きな声を出さないようにと釘を刺されてた、

フックが得意なだけのガサツなアホだからと。

ここで俺は一つ疑問を感じた、なんでオドからこうなったのかと?


「聞いていいですか?コンリーさんは

 オドを良く理解されてるみたいですが、

 何かその、オドって見えたりするんですか?」


「こいつ魔術師だからな!」


「うるさいし、ちょっと黙っててよ

 魔術師は見るわよ、種族(トライブス)によってだけど見たり感じたりする

 力の弱い魔術師は砂の深くから見ている感じね

 力が強いと鳥の目で見ている感じ」


"見る"って"見える"じゃなくて?翻訳がおかしいのか。


「遠くまでーとか近くしかーって事ですか?」


「そうね~砂の(つぶ)は砂に近づけば見えるでしょ?

 でもそこからじゃ遠く地平の離れた場所は見えない

 鳥のように高く飛ぶと地平までよく見える

 でも地面の砂粒は見えない、そこに降りないとね

 見るにも適材適所(むきふむき)があるの、森の奥、空の彼方(かなた)

 (こと)なる世界いろいろあるわ」


 とっても難しくしてしまった俺の質問の仕方が悪かった。

俺としては数値化(すうちか)とかメーターの想像して聞いてたんだけど、

これは概念(がいねん)の話なのか?いわゆる心の問題で。


「あと先に(あやま)っとく、知らなかったとは言え

 ホント(のぞ)いてごめんね、君の中を見ちゃった

 人属はオドを見せないって知らなかったの、

 それにまぁ君に興味(きょうみ)脅威(きょうい)があったし」


「え?どういうことですか?

 興味はなんとなく分かります人属だし、

 でも脅威って俺そんな風にみえます?」


視線がテーブルの上の天秤(てんびん)みたいな機械に向く。


「私たち魔術師はオドを"見る"ことが許されているの

 同族が憎しみ合ったり、いがみ合うことは

 それ自体が禁忌(タブー)とされているの

 だからと言って他の種を、傷つけていいって事じゃないけどね」


 だから"見る"なのか"見える"じゃなく。

俺は同族じゃないアレはそういう事なのか。


「それで食堂で大声出したのか?

 お前の、ソウサの()れだって分かるように」


椅子から腰が()いてしまった。


「まあ人属は珍しいし、日頃の(うみ)()まってりゃな

 あいつら遊び半分でお前を襲うかも知れないしな」


「、、なんか悪い、知らないとはいえ(かば)って貰って、、」


 ドッサッと座り直す、(のど)の奥で唾液が音をさせる。

この町で最初に見つかったのが、この男(ソウサ)で良かったと思った。


「ちなみに俺はオド見えねぇぞ!」


「もぅ声大きいから、ミシンちゃん起きちゃうでしょ!

 んっうん、魔術師はねオドを見て調律(ちょうりつ)してるの

 憎しみや悲しみ怒りが(たみ)にどう影響しているか

 そのまま魔術で見る者もいるし、導具を使う者もいる

 オドがどう"リファイン"つまり洗練(せんれん)されているかを見て

 その者の正しさを判断してる」


 リファイン?洗練?オドは仕上げていくものなのか?


「じゃあ悪い奴はいないんですか?さっき言ってた襲うとか」


「民から全ての悪意を取り除くのは、困難(こんなん)で無理があるわ

 理想は理想よ、まったく悪意が無いってのも気持ちが悪いけどね

 それに強すぎる調律は軋轢(あつれき)を生み、民の心を暗く(みにく)くしていく、

 その天秤(バランス)(ひと)しく(たも)つのも魔術師の役目(やくめ)であり仕事ね

 この調律制度は私たちの王からの願いで理想なの」


 裁判官(さいばんかん)とか調停役(ちょうていやく)みたいだな、平和的な解決だけど。

その役は余程(よほど)善人(ぜんにん)しかなれないんじゃないか?

魔術師の裁判で、悪い奴はやっぱ処刑とか投獄とかされるのか?

それにしても王様の願いね~とてもとてもお優しい事で。


「この国って王様いるんですね?」


「あぁここにな!」


 親指たてて俺参上(ソウサ)!?


 当代(とうだい)モトクロスだよ!俺がいる道オフロードだよ!

王様は公用車(こうようしゃ)とかで王道(オン)走らなきゃダメ!

休み(オフ)だからってこんなとこ走っちゃダメ!

なにその普段着?サンダルじゃバイク乗れないよ?

そんな恰好(かっこう)じゃ怪我するから!

ヘルメット(かぶ)ってよ顔バレしちゃうよ!

もっと護衛役(ガード)とか(プロテクター)とか着けて!

従者(スタッフ)は何してんの!

執事(ピットクルー)すらいないじゃん!


「さっきの無礼講(ぶれいこう)は楽しかったな!」


 俺のお構いなしの"ソウサ(王様)"イジりは、

ここにきて全額返済しないといけないみたいです。

もうこんなのダメでしょ?不敬罪(ふけいざい)とかで処刑されるよ。

ミシンさん肩殴ってたけど大丈夫?

あれは挨拶だから処罰されないよな。


-------------------------------------------------------


 ソウサが王だった、王様こんなにざっくばらんで良いのか?

俺はすぐに(ゆか)に降りた、同じ高さに居てはダメな気がした。

ソウサは()めろ止めろと変わらず話す、がとても居心地(いごこち)が悪い。

そういう考えが民の心を悪くするんだと説教してきて、

俺がさっきまで座っていた椅子をグッと突き出しながら、

今まで通りで話し方も変えるなと(ねん)を押された。


「まっ!そういう事だけど気にすんな!」


「お若いのに王様なんですね、、」


「おいニシキ!止めろソレ、コンリーの魔術は一流だぞ

 俺に気を使ってる事まで丸わかりだ!」


 コンリーさんは手の甲で頬杖(ほおづえ)をつきながら足を組んだ。


「そんなの魔術じゃないわよ」


「じゃ、じゃあ言わせて貰うけどさ、なんだその、、

 その豪快なの止めてよ、猛々(たけだけ)しいし

 ソウサは蛮族(バーサーカー)の王かなんかなの?

 100人斬りしてドラゴンとか倒してそうだし、

 そして大雑把(おおざっぱ)すぎる、まさに鉄塊(てっかい)とか振り回しそうだし!

 ホントその(いきお)いに負けそうなんだけど」


 ホントは"(しょく)って"そうとか言いたかったけどね、

この説明は長くなりそうで止めた。


「もどった戻ったな!それで()い!!ハッハハハハッ!!!」


 隣の部屋からゴソゴソと音がした、ミシンさん起きたな。


「ほら、、もぅ起きちゃったじゃない、、良く寝れた?」


 フラフラっとカーテンに頭を擦りながら出てきた。


「おはよーござい、、、ギャーーー!!!」


 ギュッと目を(つぶ)りながら、左手でカーテン引っ張った。

コントかな?カーテン外れたし、ソレで顔隠しても全身見えてるよ。

まぁ良く寝れたみたいで、ココは自宅のような安心感ですか?

寝ボケるにしたってまだ日が高いですよ?


「あら可愛い、もう少し寝てても良いのよ?」


「も、ダイジョブです、ビックリしただけです」


 一時間は倒れてたけどな、顔が見れて安心した、とは言わない。

コンリーさんがチラッとこちらを見て言う。


「君は頑固(がんこ)ね、素直になりなさい?」


「覗くの止めて下さい、色々と考えてるので」


「考えてるけど(まと)まってないんでしょ?」


「そこまで見通しますか、、」


「わたし魔術師なの」


結婚(けっこん)相談所(そうだんじょ)の方かなんかですか?」


「あらそれ良いわね、(くわ)しくやり方教えてよ」


 この人意地悪(いじわる)だ、、すうっと息を吸う音が漏れた。


「、、に、(にしき)、さん、、、もぅ、変えないで、良いから、、」


 しおしおの年相応の女の子になってる、

カーテン胸元でくしゃくしゃにして。


「そのままで、いいから、、(いや)に、、ならなぃでぇ、、、」


「お?なんだ!(こく)はっっがっっぃぃいでぇえぇぇぇ、、


コンリーさんも容赦(ようしゃ)なく王様殴るんですね。壺で。


「俺はなにも言ってないよ?

 ミシンさんかい?早い、早いよ!ってね?ははっ、は、、

 、、、、、、ごめん、、そのなんて言うか、

 自信がないんだ、他人に対して自分に対して

 ただミシンさんは嫌じゃなくて」


ごめんにビクッ!と反応した、ごめん。


「ここまで助けて貰った恩義(おんぎ)とか、そう言うんじゃなくて

 、言葉が見つからないけど、一緒が良いって思った」


目薬のCMみたいにウルウルだ。


「これダメかな?」


「、、、うん、、いい」


「あと、(にしき)さんとか止めてね」


「じゃぁ、、キンさん?」


「それ遠山(とおやま)じゃん?桜吹雪(さくらふぶき)じゃん?いつも通りでお願いします!」


引きちぎったカーテンで顔を半分隠しながら言う。


「、、、キン」


 俺は一度息を吐いてから気持ちを切り替えた。

いつもの(キン)に戻るよ!スイッチ、オン!


「ただし!俺たちはオーナーに雇われてます!お仕事中です!

 なので!なんだかんだは!あっちに帰ってからです!」


「なんだかんだって?」


 察してくれ、オチはココじゃないでしょ?

斯の地(あっち)から落ちて来たけれど。


「なんだかんだは、なんだかんだです!」


 普通に戻れたかな?わざとらしくないかな?

ちょっとだけ気持ちがフワッと軽くなった。


「あとソコ!ニヤニヤしない!二人まとめて

 勝手に結婚相談所へ登録するぞ!」


 俺以外の三人が揃って口を開く。


「だってねぇ~」

「そこ詳しく!」

「私は、、たくさん、突っ込んで欲しい」///


「ダメデス・ソレヲイッテハ・イケマセン・ツウホウサレマス」


「キンに突っ込まれると熱くなる、でもしてくれない」


 ダメダメダメダメ!全年齢(ぜんねんれい)対象(たいしょう)だから!優良図書(ゆうりょうとしょ)のつもりだから!


「こんなに私、ボケてるのに、、、」


 あっ、、、と、、これ?、は


「、、、もういいわ!君とはやってられん!」


 これでオチたと思ったが。


「やっぱり嫌なんだぁあぁぁ!!!」


 やっぱり口を四国にして、ビエンビエン泣いた。


いかがでしたか?

ソウサとコンリーの関係性が見えてきたかと思います。

まっすぐ好青年と頼れる姉属性の二人です。

この世界の事を色々と教えてくれます。

頼れる二人ですね、船頭として引っ張ってもらいます。

造語の書き間違いルビに注意してます。

評価・誤字の報告など頂ければ、とても励みになります。

ブックマーク登録も宜しくお願い致します。


次回 第十三話 サブタイのサブタイ「俺ブースト」

それではまたお会いできるのを楽しみにしております。

誠意執筆中です。

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