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アマオー:レッツスタート ―チュートリアルのはじまりはじまり~―

―――この世界には呼び声が響いている。

―――それはあなたを呼ぶ声だ。

―――それはあなたを導く声だ。

―――それはあなたを誘う声だ。



―――あなたは声に呼ばれてここに来た。

―――あなたは世界の声を聴くことができる。


―――それは誰もが持ちうるそれじゃなく、

―――されどあなただけが持ちうるそれでもない。



―――さあ、世界に降り立つ時が来た!



―――ここはオルタラシア。

―――またの名をオルタナティブ・ワールド



―――あなたたちがいつしか忘れたものがここにはあるはず。

―――あなたたちがいつでも求めたものがここにはあるはず。


―――さあ、自分の足で立って!

―――さあ、自分の肌で感じて!

―――さあ、自分の目で見て!

―――さあ、自分の声を聴いて!



― オルタナティブ・ワールド・コーリング ―



―――冒険の始まりだ!



※OPムービー


――――――――――


「んん? ここどこ?」


「お、やっと目を覚ました。」


「えっと…誰?」


 目を覚ました私を謎の少年が覗き込んでいる。名前を聞くと少年はエリオと答えてくれた。


 頭の中でいったん情報を整理する。イアさんのログハウスから飛び出しOPムービーを体感した私は、どうやらこの草原で眠っていたということになってるらしい。


「アマオー。あんた『イア様のお墨付き』だろ?」


「イア様のお墨付き?」


 エリオ君が街まで案内してくれるというので付いていくことにする。


「寝てる間に夢かなんかでイア様と会ったんじゃないか?」


「んーと、イアさんにはさっき会ったけど」


「イア“様”だぞ!さん付けは失礼…ああ、そうか。お墨付き特有のアレか…まあいいや。あんたからお墨付き特有の不思議な力を感じるのさ。これでいいか?」


「なんか含みが多すぎてさらに質問したいことが増えたんだけど…」


「口で説明してもわかんねーよ!さて、街までもうすぐだぞ!ほら!」


「おおー!」


 丘を登り切り、その頂上から見えたのは大きな街。



「あれが始まりの町『サーガワン』だ。」



―――――


 エリオ君の案内で始まりの町「サーガワン」へ到着した私は、彼にお礼を告げて別れた後、彼のアドバイス通りに冒険者ギルドへと足を運んだ。


「あなたが新しい冒険者志望の方ですね?」


「はい!」


「それではまず希望するジョブをお選びください。」


 差し出された羊皮紙には戦士や魔法使い、僧侶といった、いかにもファンタジーなジョブ達が記載されている。私は迷いなく魔法使いのジョブを選択!


「魔法使いでよろしいですね?」


「はい!」


「それではこちらをどうぞ」


〔魔法使い見習いの装備一式を手に入れた〕


「今着てみてもいいですか?」


「はい。かまいませんよ。」


 メニューを操作し、もらったばかりの装備を身に纏う。もとから装備状態だった布の服が発光し、簡素な黒いローブへと着せ変わる。


 受付嬢さんが鏡を貸してくれたので自分の姿を確認。


「んー、薄桃色のロングヘアはやっぱりちょっと派手だったかな…?鏡、ありがとうございました。」


「どういたしまして。お伝えしておきますが、あなたはまだ見習いの状態ですので、まだそのジョブの真の力は解放されてません。経験を積んでいけばジョブの力が解放されていきますよ。」


「はい。わかりました!」


「最後にこちらのオーブに手をかざしていただければ、ギルドへの登録完了となります。」


 目の前に出されたのは緑色のオーブ。言われたとおりに手をかざすとオーブが眩く発光し、ギルドカードが現れた。


「ギルドカードをお受け取りください。これで登録は完了です。あなたにイア様の祝福があらんことを。」


「ありがとうございました!」


―――――


 これでひとまずやるべきことは終わった。後は柚葉との待ち合わせ場所へ向かうだけだが、まだ約束の時間まで1時間は残っている。


 さて、どうしよう? お金は結構あるからアイテム屋やレストランに行ってみるのもいいかもしれない。


「でも1回でもいいから戦闘経験を積んでおきたいなぁ…お荷物にはなりたくないし…」



「あなた新米の魔法使いよね?」


「あ、はい!」


 突然声をかけられて少しびっくりした。振り返ると声の主は見るからに魔法使いな感じの女性。


「私の名前はサリア。巷じゃ「導きの魔女サリア」って呼ばれてるわ。」


「私の名前はアマオーって言います。」 


「アマオー…? 変わった名前ね。でも聞かれる前に自分から名乗るのは良い心掛けよ!」


 サリアと名乗ったこの女性はメガネをクイクイさせながら私を見つめてこう言った。


「私、あなたのこと気に入ったわ。いろいろレクチャーしてあげようと思うのだけどどうかしら?」


〔クエスト発生!「導きの魔女サリアの初心者講座(チュートリアル)」を受けますか?〕


「ぜひお願いします!」

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