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魔の森
この森は、魔力に溢れている。この世界の住人が魔法使いや魔女とは呼ばれるが、魔法少年や魔法少女と呼ばれることがないのには、この森と深く関係がある。
魔法少女たちは魔法生物に魔力を増加してもらっている。自前の魔力を使うことも可能だが、命を削ることになる。そのときに魔法生物たちは門を少し開け魔力を供給するのだ。
魔法力学によるとゲートを開ける頻度が増えると、空間の歪みが大きくなり、しまいには、異界の門の間から先ほどの魔犬の侵入など、さまざまな悪影響が出始める。
この森はすでに10年ほど前から不安定になりはじめ、小さいときのほのかと天馬がこの森で出会っている。また穴が増えたことによって異界の魔物も増えてきている。
先日の王宮でもその話題は出ており、近衛兵団の訓練はパトロールついでにこの森で行われているそうだ。地獄の訓練と言われといる
地獄?なめてるだろう。
「想像、創造」
彼女は宙に浮いた無数の杖とともに浮かぶ。月夜に照らされた彼女の横顔は狂気を帯びる。
「五葉の平穏を邪魔するやつは、誰であろうと!」
さらに増え続ける魔物を蹴散らしていく。