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異界の犬
ログハウスを出た直後に、黒い犬のような魔物に囲まれる。またどこか異世界の扉が開いたのか。
「セバス」
短く言うと、となりに羊の執事が黒い煙とともに現れた。
「お嬢様」
「飯の時間だ」
「・・・失礼しても?」
「構わんやれ」
では、と手をかざすと、たちどころに魔物がバタバタと倒れ始めた。
「やはり、獣の魂などこの程度、やはり人間でないと」
カレンが杖をむける
「古代魔法悪魔払い(デーモンキラー)」
「悪かった。人間には手を出さないさ」
「口調、姿、戻せ」
「失礼した。だが忘れないでいただきたいのは、お嬢様の方ですよ?」
「わかってる。森のどこかに異世界の扉が開いている。閉めにいく」




