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魔法国首都「魔都」
魔法国の王都「魔都」はこの世界でも一二を争う大きな町だ。魔法が発達してるので、ほのかたちの世界のような科学的なものはない。そのため
街並みは中世の欧州のような世界がひろがる。一方で違うものは多々あり、道路の代わりに箒で移動するための宙路が引かれ、空中を人や物が飛び交っている。また市場に並ぶ品々も魔法国原産のものが多い。双頭人参やミノタウロスの肉、ドラゴンの血液など、値段や使い道、効力が多種多様な混沌としている。名物はガルンバルで、カラスミス粉を水でとき、薄くして焼いたものにさまざまなトッピングをしたものである。わたしのおすすめは、カラハナタの葉で、バルヌスのベーコンをこんがり焼いたものを包み、甘辛く炊いたソースをかけた一品で、カラスミス粉を粗挽きにしてもらうのが通なのだ。香ばしさが際立つ。
わたしはこの町で育ったのだ。1年ぶりの里帰りである。