カレン
「お姉ちゃん帰ってくるときは連絡してっていってるじゃない。ご飯は?」
「お〜食べまス!食べまス!五葉の料理は美味しいですからネ」
ニコッと微笑んでぱたぱたと台所の方へ向かった。奥に行ったことを確認したカレンは杖をとりだして魔術を使う。
「空間指定、隠、時間停止」
外の景色がゆっくりと動く。結界の中に入れられたようだ。
「カレン。」
「まさかこんなところにくるとはね、ソフィア。てっきり王都に向かったと思ってたよ。差し向けた刺客が無駄足を踏んでしまったようだ」
どうやら囮はうまく発動したようだ。
「まぁわたしの用事は終わったし。王宮は大混乱だね」
「っ何をした」
「ふふふだーいすきなお兄さんについてね。お母様とお話をしてきたんだよ。でも、あなたには関係ないよね」
心底楽しそうに笑う
「愛なき養子だもの」
「カレン!!」
胸ぐらを掴む。カレンはその手を気だるげに見下ろした。
「立ち去りなさい、今からディナーなの。招かれざる客にはおかえりいただきたい。これは恩情よ。家の中を汚されたくないもの、解除」
時間が動き出した。
「ソフィアお姉ちゃんも食べてく?」
「ソフィアさんは大事な用事があるみたいナノ。すぐに行かなくてはいけないみたい残念で〜す。」
小屋を後にした。王都へ急ぐ。