魔法少女☆さき 初恋リミットブレイク
だから一緒に戦おう
「憑依!!」
姉が自分の身体の中に入ってくるのを感じる。豪快で明るい姉、家の期待に押しつぶされてしまった姉、自分の知ってる姉、知らない姉、全てを受け止めた。姉の霊力、姉とともにあった古代魔法少女の魔力が流れ込んでくる。
「変身!」
「この世もあの世も私のもの世!初恋霊装魔法少女さき!」
「う、さきちゃ・・・」
目覚めた先にはズタボロになったほのかがいた。そして蝶野も。
「はぁはぁ目が覚めてしまったか。手段は選べないな、魔法少女喰い(マジックイーター)!!」
ばくんとほのかが飲み込まれる。
「な!」
「はぁ、はぁ、記憶を手に入れた。はは、これでカウンターズからは脱退だな。だが、燃費は悪いが少しは魔力を回復できた。これでわざわざ回りくどい真似をして、龍神や霊装を得なくてもいい」
「お姉ちゃんいくよ!」
あぁ!
霊力をうち出す。
「はっ!馬鹿が。お前の得意魔法は憑依。しかも、憑依した古代魔法少女の意思に振り回されるレベル。ましてや呪法や霊法の拙い貴様には、カウンターズ行動隊長である私に傷をつけることは・・・」
蝶野の頬を切り裂き、雷撃が轟く。
「だから、私がいる」
「・・・ッ竜崎・・・罠華八ぁ!!!」
さきお前は蝶野に触れることを考えろ。道は私がつくる。
「霊具や霊装が無い状態で!!」
「霊具は霊との交信に必要なだけ、私達姉妹にそんなものは必要ない!」
触れるもの全てが意思を持って動き出す。
「魔弾、命中、炸裂、追跡、魔剣、斬撃、強化・・・」
蝶野の魔力が歪む。何人の魔法少女が正義の名のもとに消されてきたのだろうか。
「ふふふふ!魔鱗粉、記憶!!!」
魔弾や魔剣の攻撃を交わした先には、姉の姿があった。優しくあたたかく微笑む姉。違う!これは若葉ではない。拳をつよく握り直す。
「私は姉ちゃんを超えていくんだあああああああ!!!うあああああああ」
「ダウンロードぉおおおおお!!!」
拳を打ち込むと自分の魂を蝶野の中に深く撃ち込んだ。同時に蝶野の中に眠る魔法少女達の魔力をつなげ自分の中に引っ張り出す
「アップロードぉおおおお!!!」
蝶野からほのかやソフィア、捕まっていた魔法少女達を引っ張りだす。
「ぐはばばはああああああええ」
長い断末魔の先、最後に残ったのは、薄汚れた老人だった。
「はぁ、はぁ、」
術式を組む。姉に教えてもらった最初の術。
コツは相手が死なないように調節を
我が姉ながら、なんちゅう術をはじめに教えてくれたのか。
「雷縛!」
「ぎゃああああああ」
姉の声はいつしか聞こえなくなっていた。




