ライダースーツ
魔法少女になれない以上できることは限られている。いくつかの生活魔法、短距離の時空移動、しかも成功するかは五分五分。あとは魔人少女の名残の魔力感知。考えろ頭を回せ。
天馬さんはああは言ってるけど、まだ魔法を使い始めて日が浅そうだ。魔法にかける魔力量が多すぎる。あれじゃあ、すぐにバテてしまう。
対して相手は、大技こそ使ってこないが、水の魔法をバランスよく魔法、物理攻撃、斬撃などに変化させ、こちらの出方を見ている。天馬さんの多様な技を、一つの魔法で押さえこんでいるのだ。
そして徐々に対抗から、制圧にむけて、攻撃がシフトしていっていた。
おそらく石橋を叩いて渡る分析タイプ。こういう相手には時間をかけるべきではない。魔力感知でだいたいの場所はわかった。
「天馬さん。私が合図をしたらあのテーブルに弱めの氷の封印を」
「・・・わかった」
「3.2.1!!」
「封印術 氷河原」「時空移動」
「ぬわっ!」
足元を這う氷の封印術は、転送された青いライダースーツの女を捕まえた。だが、すぐに杖を振り水弾で氷を破壊された。対応が早い。
「誰だおまえら」
片耳に勾玉のイヤリングをつけたライダースーツの女がこちらに杖を向けていた