ガン無視☆ほのかと魔法少女五カ条★
ま、こんな感じで私の想い人の紹介は終わり。話は戻って、
「バレなきゃっていうけど、大丈夫なの?」
杖で転送魔法の魔法陣を描きながらミッキュ に訪ねる。こいつは手伝いもせずにスマホとにらめっこしている。もう少し緊張感を持ってほしい。ワープの魔法は結構危険だって言ってたじゃないか。時空に干渉したらどうとか、魔法国のカウンターズっていう化け物集団が監視をしているとか。自分で提案しといてなんだけど少し強くなってきた。
「バレた時は大変ッキュけど」
「バレた時っていうとあれ?」
「そうッキュ」
魔法少女五カ条
1.魔法少女は世界を守るために存在する。
2.人間界の人間は魔法生物と契約することで、魔法を使うことができる。
3.魔法に関することは魔法に携わる者以外に露見することは禁じられる。また露見した場合はペナルティーを受けるものとする。
4.魔法少女は一定の成果をあげると報酬が与えられる
5.魔法少女の引退は魔法国もしくは魔法生物の全権委任者によって決定される。
「3と5が引っかかっるのよね」
「3と5っきゅか?」
「ペナルティーと引退」
なんかこう裏に隠れた陰謀を感じる。考えすぎかな。
「ペナルティーは度合いによるッキュよ。魔法をちょっと見るくらいなら、見た人の記憶を消したりすればいいっきゅ。まあ正体がバレなきゃいいっきゅよ。」
「バレたら?」
「まぁ、魔法少女の資格のはく奪だったりかなっきゅ」
この妖精は厳格なのかいい加減なのかいまいちつかめない。
「そういえば、魔法少女の先輩たちは大丈夫なの?」
「かおりも、さくらも、ほのかみたいに魔法の私的利用はしてないっきゅ」
耳が痛い。
「引退したのならメールくらいくれたらいいのに」
「記憶を消したんだから無理っきゅ。ほのかが魔法をかけたじゃないっきゅか。まぁ安心するッキュ。いまのところは2人とも大丈夫っきゅよ」
胸を張りながらミッキュはいう。
「僕たち魔法生物はアフターケアもきっちりするっきゅ。二人の魔法生物とはテレパシーでつながってるっきゅ。僕がこのチームの全権委任者になったっきゅから、ばっちりっきゅ」
「ふーん」
頼りになるのかならないのか。いま私が知っている活動中の魔法少女は4人だ。この町を脅かしていた悪の組織は倒したから、どうするかこの間話し合った。結論から言うと2人の先輩は卒業。私を含めて残りの4人は、引き続き魔法少女として活動することになった。
私を救ってくれた2人の卒業は、はじめはさみしかったけど、今は気持ちを切り替えることにしている。この間も4人で町のパトロールと称して、みんなでケーキを食べに行った。
かおりちゃんは最終決戦が終わったすぐ後、さくらちゃんは1週間前に正式に卒業したらしい。らしいというのは、2人の魔法に関する記憶が消されてるから。
まぁ消されてるといっても、魔法に関してだけなので、魔法少女の姿だとか、魔法の種類とかだけで、2人が友達だってことは忘れていない。
だって彼女たちの魔法や魔力は一番弱い私が引き継いだ。たとえすべての記憶がなくたって、二人は大事な友達だ。
「で、卒業に許可がいるってのは?」
「世界を守る魔法少女の数は決まってるっキュ。最大数は決まってないっキュけど、最低数は決まってるっキュ」
「ふーん」
よし描けた。最近は雑談まじりでも魔法陣を描けるようになった。魔法の杖にプログラムしてあるから、行きたい場所をイメージして、適量の魔力を込めるだけで、自動で描いてくれる。
「少子化の時は困ったキュ。魔法新妻よしこたんや魔法老婆さなえさんまでいたッキュよ」
「ぶっ!わたしはそこまでやる気はないよ」
杖を落としそうになる。危ない危ない。転送魔法は繊細な魔法なのである。失敗するわけにはいかない。
「よし、ミッキュ!天馬さんの元へGO!」