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さきの姉

姉の修行場を、私は毎日雑巾がけをしている。ほのかたちの前では、諦めているなどと言ったが、心のどこかで私は諦めていなかった。いつ姉が帰ってきてもいいように、掃除をしている。また何か悩み事がある時もよく訪れている。姉は時々トレードマークの青いライダースーツに身を包み、よくバイクを乗りまわしていた。私も後ろに乗せてもらい、いろいろな景色を見に行った。姉はいつも私に自由に生きろと言っていた。巫女として生まれ、魔法生物を相棒にしていた姉は制約が多かった。姉の魔法少女姿は見た事はないが、なまじ魔力がある分良くないものに遭遇する事は多かった。だが姉はそういったものから私を守っていてくれた。屈託のない笑顔も浮かべ、勾玉のイヤリングを片方につけ、巫女服で戦う姿は、美しかった。私はそんな姉に憧れて、髪も姉に似せて短くしていた。よく真似をする私を姉は呆れていた。

もしも魔力がなくなったら姉だったらどうしただろうか。自由に生きろと言うのだろうか。


道場に向かう足がとまる。道場の前に誰かがいる。ヘルメットをかぶって、バイクにまたがって道場見上げている。

「お姉ちゃ・・」

いや違う。身長が私位で男のようだった。姉は私からもうらやましい女性らしい体型だった。誰だろう。向こうもこちらに気がつき声をかけてくる。若い声だ。

「お?もしかして君が噂のさきちゃんかい?」

ヘルメット脱いだその人の耳には、勾玉のイヤリングがしてあった。

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