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さきの異変
「いやいやいやいやみんなして変な冗談やめてよ」
そこにりゅうっちがいる?んな馬鹿な。
14年間ずっと一緒にいた存在を忘れるわけは無い。契約をしたのは1年前かもしれないが、代々家族が共に戦ってきた相棒を忘れるわけなかった。
「りゅうっちどういうこと?」
「え?魔力が減ってル?」
悪い冗談に決まっている。目の前で繰り広げられているパントマイムにさすがにイライラし始めて、ついに
「やめてよ!!!」
2人をどなりつけて部屋を出てしまった。
てっきりミッキュ と一緒に出かけているだけだと思っていた。確かに魔力が小さくなるのはわかっていた。だけど封印術は普通に使えたし問題ないと思っていた。
だけどだけどだけど、私はもう魔法少女にはなれないの?ほのかたちやりゅうっちたちと一緒にパトロールしたり、おしゃべりしたりできないの?
胸の奥に重たいものがずっしりと埋め込まれたようだった。わたしの足は自然と離れにある、姉の修行場に向かっていた。