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急げっ☆ほのかと転送魔法★

あっやばっ!


中学2年生になって数日がたっていた。この欲望まみれのクズ妖精と無駄な会話をしてる場合じゃない。急がないと遅刻してしまう!


ええと、今日いるものはカバンに入れたし、あぁそうだ。朝ご飯食べてかないと!


食パンをトースターに投げ込んで、髪をセットしに洗面台へ。目の前の鏡にはポニーテールの浮かない顔した子供が映っていた。いやいやだめだ。頬を両手で2回ほど叩いて気合を入れる。にこっと笑ってみる。


よし!今日も元気に笑顔だ!がんばれ、わたし!!そう言い聞かせる。


戦いは終わったけど、心を引っ張るもやもやがあった。でも、笑顔でいると決めたんだ。


「朝っぱらから、そんなにイライラして、ほのか太ったキュか?」


あくびをしながら、洗面台に入ってきた無神経な妖精に鉄拳を食らわして、洗面台を後にする。


私は前に進むんだ。




「最近、ほのかのストレートは世界を狙えると思うようになったっキュ」


うるさい妖精をカバンに詰めると、朝ご飯をくわえて、学校へ急ぐ。ポケットからお気に入りのピンク色

の手帳を取り出すと、走りながら今日のページを開く。


「今日は天馬先輩は、7時23分のバスに乗るはず」


だったら、この道を行くと間に合わない。乱暴にカバンの中に手を突っ込むと妖精を引っ張り出す。


「ミッキュ!転送魔法の準備!7丁目のバス停」


「魔法少女は世界を守るために魔法を使うっキュ。私利私欲のために使うんじゃないっキュ。っていうかそのピンクの手帳何っキュ!怖いっキュ」


実はこの手帳には秘密がある。私の想い人の天馬さんの1日の行動が、映し出される魔法のアイテムなのだ。ある協力者に手伝ってもらって作ったのだ。私ってやっぱり魔法の才能があるのかも。もちろん、天馬さんを守るために必要な道具で、今日も安全に彼に過ごしてもらうための必須アイテムでやましい気持ちや下心は全く全然少しもない。真剣な目でぬいぐるみを見つめる。


「ミッキュ。魔法少女は愛の化身。愛は恋から生まれるの。この行動は回り回って世界を救うことになるのよ」


「プライバシーの侵害ッキュ。敵が去ったからって、魔法の無駄遣いはするべきじゃないっきゅ」


まぁたしかにこの魔法道具も完ぺきではない。魔力の少ない私では大まかな行動の予知が精いっぱい。それに未来のことを知ってしまうとそれだけで、予知がずれることもままある。まぁ占いぐらいの気持ちだ。


「これは天馬さんを守るために必要なことなんですー。」


「そんなことを言って、遅刻しそうな時も転送魔法を使うじゃないかっキュ」


それはそれ、これはこれ。ちっ。こうなったら奥の手だ。


「チップスポテト!1袋」


妖精の目が変わったのを見逃さなかった。こいつは出会う前は森で樹液をすするような生活をしていただけあって、人間界の食べ物に弱い。私のお菓子をたまに分けてもらうのを心まちにしている。


「味は何っキュか?」


「うすしお味!」


「わさび醤油味がいいっキュ」


くそっ、背に腹は変えられない。


「っそれでいいわ」


「変身を許可するっキュ」


杖をふるって、叫ぶ。


「変身!」


まばゆい光がペンダントから溢れ出す。それと同時に制服がほどけていく。ペンダントを通して、ニッキュの魔力が変換され、ほどけた糸に注がれる。糸は空中で魔法服に紡ぎ直される。


「よしっ!はじけるハートは恋の味っ!魔法少女ほのか!」


我ながら、ハートがはじけたらまずい気がする。血の味しかしないだろう。

今日は制服をベースにしてるから、まだマシね。夏服なんかで変身すると布が足りなくて、すごい際どい姿になってたから、今年の夏はどうしようかな。このくそ暑い日本で長袖、長スカートは死ねる。


「っていけない!早く転送転送っと」


待ってて私の王子様っ!


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