決着☆魔法少女の物語
くぅぅっ久しぶりの名乗りだ!!
「ほのか!天馬からの預かりものだ」
ミッキュ は黒い箱をほのかに放り投げる。わっとっと。ミッキュ は緑色の鹿の姿をしていた。雄大に広がる角は大木の幹を思わせた。魔人少女として、解放された魔力をそのままに、本来の姿に変わっていた。
中に入っていたのは、木で彫られていた指輪だった。
「これは?」
「私が生み出した魔除けの木から削り出して、天馬が魔力と魔法を込めた指輪だ。」
指輪を指にはめる。サイズはピッタリだった。
「お前をきっと守ってくれる。」
その木の指輪の香りは、昔てんちゃんと遊んだあの山を思い出させた。それだけではなく、天馬さんの優しさや温もりを魔力を通じて感じた。力が勇気が湧いてくる。
ミッキュ はゆっくりと魔法老婆に近づく
「・・・ミッキュ 。」
「久しぶりだな。さちよ」
「次は・・・その子なのか」
ミッキュ はこちらを一瞥したが、すぐに魔法老婆を向いた。
「いいや、違う。お前のようにはさせない。いや、お前たちのようには、させない。」
静かに語りかける。
「すまないと思っている。」
周りを取り囲む魔法少女の魂たちに向けて、頭を下げた。
「・・・そうか」
山高帽に一瞬隠れたその表情は見えなかったが、顔をあげた時には、凶悪な笑みを浮かべていた。
「ははははははっ!天上天下唯我独尊!!世界をかける史上最強の魔法少女!さちよ様だ!!」
幾千万もの魔法陣が展開される。空気が揺れて大地が震える。
「魔法少女ほのか!!先輩として、胸を貸してやるよ!!!はははははっ!」
「覚悟しなっ大先輩!!私はあなたのことを忘れないっ!!」




