記憶・真実
「私たち仲良くできるよっほ?」
希望を持って話しかけた。今までだってこれからだって。
イザナギの目には一瞬迷いが浮かんだが、それを払拭するように首を振った。
「なっはっは…。ありがとうな、ほのか。でも、遅すぎた。うちは、引き返せない。うちら魔法少女は世界のために戦ってきた。でもその世界が素敵なものとは限らない。うちはもう疲れてしまったんだよ。お前と話すのはとても楽しいだけど、何も解決していない。私の心配していることを私の不安なこと私が苛立っていること」
「これから先の世界でうちと同じような存在を作らないためにも世界をいちど滅ぼす必要がある。魔法のない世界を兵器がない世界を差別のない世界を。」
「そのために」
「記憶・真実」
イザナギはほのかに魔力を込めた拳を向けた。
「同志のよしみだ。この魔法の使い方を選ばしてやる。この魔法は、世界中の人々の記憶を操作する魔法だ。お前が望むなら世界中の人々から魔法の記憶を消す。どちらにせよこの国の魔力はもうない。人々は、破魔町のような特別な場所以外は魔法を使うことができない。うちはこの魔法で人々から食事の記憶を奪ってしまえば、数週間で人間はいなくなる。」
「お前ならどう使う」




