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黒蜥蜴

黒い蜥蜴はぬるりと尾を伸ばすと難なく妖精を巻きとった。


「哀れですねぇ、哀れですねぇ」


「きゅ、」


締めあげられる体は動かすことができず、ねじあげられていく。


「みっ、きゅ、」


「みぎゃあああああ!」


苦しみのこえが森を抜けていく。ほのかは破魔町に通じる鳥居を探していた。彼の声に一瞬足を引き止められるが、頭を振り、前を向く。彼が残してくれた時間を無駄には出来ない。


「くっくっく!あの大鹿様を食い殺せる日がくるとは長生きするものですねぇ」


「みぎゅあああああ」


「あなたに牢にぶち込まれ、体をブツ切りにされ、封じられたわたしの苦しみはこんなものじゃありませんよ」


復讐の炎は瞳を黒く焦がす。


「あの方が私を解放してくれなかったら気が狂ってしまっていたでしょう」


「じ、自業自得っきゅ!むぎゅあああ」


「そのふざけた言葉遣いさえ、今は心地よいアンサンブルです。」


ぎりぎりと締めあげられたミッキュの体はぐちゃぐちゃだった。


「み、み、み!く、くるしい、きゅ!く、くるし、くる、あれ?あ、ミッキュはぬいぐるみだから物理的なダメージないんだったっきゅ」


ぼこぼこになったみっきゅは笑う。


「く、ふざけやがりますね!大妖精。食い殺します。」


ぱっくりと開かれた口にミッキュは飲み込まれてしまった。


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