偽乳なる最凶
ほのかの手にあったそれと空虚になった胸を交互に眺め、流れる沈黙。
「ぶっころおおおす!」
イザナギは涙でぐしゃぐしゃになった顔で杖をぬく。黒い杖に驚くも、更に驚いたのはその魔力量。ただ、それだけでも、空間を歪める。
そして、その魔力の塊を手当り次第、切り取り、練り上げ、うち放つ。色鮮やかで、邪な光が次々にほのかたちを襲った。
「ちょ、まっ!ミッキュガード!!」
ほのかは咄嗟にミッキュを掴み、耳と足を掴み縦に引き伸ばす。
「な!ばっ!みぎゃああああ!」
雷や炎、様々な魔法攻撃が容赦なくミッキュを襲う。
「まって!わたしも同志なの!ほら!」
ほのかはミッキュを投げ捨て、胸元からパッドを抜き取り、地面にそっと置いた。
「ど、どうし?」
「そう、同じ平原を持つ、同志!!」
ほのかは無い胸をはった。
イザナギはじっとその胸をみつめ、呟く。
「魔力を感じない。嘘ではないんだな、ぐすん」
「同志に嘘をついて、どうするの。大丈夫、怖くない、怖くない」
ゆっくりとイザナギに近づき、抱きしめる。そして、ぎこちなくも、頭をなでる。
イザナギが泣き止むまでしばらくの時間を有した。
「巨乳がなんぼのもんじゃい!!なっはっは!同志ほのか!!」
「パッドだ!もっとパッドをよこせ!いぇーい!同志イザナギちゃん!!」
「だれか、ミッキュを助けてっきゅ」
2人はすっかり意気投合してしまった。
「なっはっは!気分がいい!姉上にしろ!さちよにせよ!デカすぎんだよ!バカタレが!」
「わたしの友達たちも!発育?成長期?なんぼのもんじゃいバカタレが!!ぎゃーはっはっは!」
2人はイザナギが作ったキャンプファイヤーの前で宴会をし始めた。




