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控え室にて
「ミッキュあああああぁぁぁ」
「ひぃっきゅ!」
控え室に戻ると、緑の妖精に対して、ベンチをなげつけた。
「みぎゅ!!!」
「てめぇ!盆栽みたいに毛をせりあげようか?」
「なんのことかっきゅ!賭けをしてたのは謝るッキュ!」
「あの名前は、どうなってるんだっ?あぁん?賭け?」
「はんぶんやるっきゅ!許してッキュ!」
「全部出せ」
「後生だっきゅ」
「全部出せ」
「生活が」
「全部出せ」
「愛する子供と妻が」
「全部出せ」
「…きゅ」
ゴソゴソと皮袋をだした。中には、金貨と銀貨がぎっしり入っていた。
「これが一試合分?」
「勘違いしちゃダメッキュ。優勝候補対無名の新人だったから、オッズが馬鹿高くなった」
「高級車…お城…豪華な食事…」
「もしもーしっきゅ」
「イケメンハーレム…ショッピング…おとな買い…」
「聞こえてないっきゅ」
口からだらしなくよだれをたらすほのかを見て、呆れる。でも、誰が、ほのかの名前を?
「しゃらぁ!ミッキュ!つぎも私に賭けな!ほのかさまの出陣じゃあ!」




