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第1試合②
「あんたがわたしの対戦相手かい?」
「ああん?」
「ひっ!」
わたしの殺気に一瞬怯んだようだったが、両手でナイフを持ってかまえる。長い緑色の髪を結びポニテにしていた彼女には、わたしのストレスのはけ口になってもらおう。
「あ、あんたに、ビビったわけじゃないからな!ペチャ=パイコ!!」
「フルネームで呼ぶなっての!!!!!」
怒り滾って放った火球は相手に届く前に消えた。
「え?」
「なっ?」
2人はそれぞれ驚いた。
「わたしの魔法弱くね?」
「ぶっ殺す気か!!」
彼女の頭上に浮かぶ、半透明な球がわれる。
「身代わりの球が無かったらわたし死んでたわよ!」
「じゃあ、あと2回本気で撃てるのか!」
ハツラツと言ったわたしの笑顔に負けて、リッパー選手は棄権した。