放課後
学校が終わるとくたくた。
授業もそうだけど、今日は別の話題でもちきりだった。
「ラック様がこの町に来るんだって!!」
「えー!うそー!」
「なんでもドラマの撮影があるんだって」
「なんでこんな辺鄙な街に」
「細かいことは気にしない気にしない。重要なのはどこでやるかよ」
「はぁ・・・」
ほのかだって、決してミーハーではない。イケメンだって大好物だ。ただ占いと言うところが引っかかるのだった。理由は決してわからないがそういった占いといった非科学的なものは、どうにもこうにも体が受けつけないのだった。
「おいっす。ほのかー」
さきちゃんが手を振りながら近づいてきた。学校指定のジャージに着替えてバスケットボールを持っていた。部活なのだろう。いつも通りメモをもらう。
「じゃあ買い出しよろしくね」
「お任せあれ。さきちゃんも部活がんばってね」
「まかせなさーい。全国大会を目指して私は突っ走るのだ」
言うが早いが、さきちゃんはあっという間に体育館へ走っていった。かっこいい後ろ姿を見送り、メモに目を通す。野菜と飲み物と、後は洗剤だった。
ルームシェアをしているから、家事は分担していた。料理はさきちゃん、買い出しは私といった形でだ。ちなみにさきちゃんの料理がとても美味しくて、寮で暮らし始めて体重が2キロ太った。こういう時に胸に行けば良いものを、おなかに回っていくのが腹立たしい。
「よし!走って商店街に行くぞ」
商店街は寮と学校の間にあるので、とても重宝している。




