校門にて
「ほーのーかーさーん!」
ぐっふぅ!正面から猪のように突進してきた物体に鳩尾を持ってかれる。
「やー!生ほのかだー!ぐへへへ!じゅるり」
その人物はあろうことか、片腕でがっしり私の体をホールドしたかと思うと、もう片方の手でわきわきと手を動かし、全身を撫でまわしてきた。
「ちょ、やめ、ん!はぁん!」
だんだんとエスカレートしていく。脇腹だけでなく、腰や、それか
「ここか?ここがええのんか?」
「やめんかっ!」
顔を真っ赤にしたさきちゃんが、チョップで変態を叩き落とす。
ガニ股の体勢で地面に叩き落とされた彼女は、すぐさま立ち上がる。
「ご機嫌よう。まだイギリス時代のハグのクセが抜けなくて」
と、穏やかに微笑んできた。とても先程まで、よだれを巻き散らかしていた変態とは思えない、優雅な動きで服を整える。
「カレン。イギリス人はそんなことしないっての!いつか捕まるぞ。で、それは何キャラなんだよ。こないだはフランス人で昨日はアメリカ人。お前はいったい何人なんだよ」
ジト目でさきちゃんが責める。全くだ。
「いやぁさ、高貴に行けば許されるかなーって、ご機嫌YO!ほーのかっ」
いまいち国籍はわからないけど、恐らく海外にいたのだろう、この子もいちおう私の友達だ。金髪は太陽の光で、煌めき、お人形のような可愛らしい顔立ちをしている。DJの動作をしなければだけど。
「おいお前たち、遅刻ー」
におうだちした男の先生が無情にもつげたのだった