表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

174/232

占い嫌い

「いつまで寝とるんじゃい!」


スパーンッ


という小気味いい音で目が覚めた。

私はおでこの痛みにのたうちまわる。

「でこが割れる〜!」


「さっさと顔を洗ってくる!」

幼なじみでもあるさきが腕を組んで仁王立ちで立っていた。右手には緑色のスリッパを持っていた。


ヒリヒリとするおでこをさすりながら洗面所に向かう。顔を洗って、歯磨きをして、髪を結んでポニーテールにする。少し鏡の中の自分に微笑んでみる。


自信のなさげな地味な女の子がこっちを見つめていた。両手で頬を挟んでパンパンと叩く。よしっ


「おっはよ!」

「はいはい、早く朝ごはん朝ごはん!」

「「いただきます!」」

寮の共有スペースで、さきが作ってくれた目玉焼きや、サラダなどをもしゃもしゃと食べる。


ふと、テレビから軽快なメロディが流れ出す。

『おはあさ!らっきーちゃんねぇる!』

「お、ラッキー!今日はラック様じゃん」

「?だれそれ」

「はぁ?ラック様を知らないの!ほのかヤバいよ!」

テレビの中で銀髪の男がウインクしている。

『今日のスーパーラッキーガールは・・・乙女座の君だ!ズッキュ〜ン』

ナニコイツアタマワイテルノ?

「はぁぁん」

さきはばかなの?胸を押さえ、天井を仰ぎ見るさきは幸せそうだった。たしかにイケメン?なんだろうけど、ふとテレビの中の男と目があったような気がした。


「・・・ほのか!ほのかっ!」

分かるぞ〜分かる!っというふうにうなずきながら。

「ラック様に見惚れてたんだね!」

「ち、違うよ。私占いなんて興味ないし」

「照れんなって」

「やめてよもう」

もう一度テレビを見る。つぎつぎと星座の運勢が発表されて、あの男は映っていなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ