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カレンと七禍
しばらくにらみ合いが続いていたが、
「やめにゃやめにゃ☆私はまずは街の術式と結界を張ることに専念するにゃ☆」
七禍の方が先に杖を収めた。彼女は一歩一歩部屋から出るために歩き始めた。その様子をカレンはいまだに杖を構えながら目で追っていた。七禍がドアを閉めると同時に
「・・・っ創造!!」
数多の槍がカレンに向かって放たれたのだ。すんでのところで鉄の壁を創造し、防ぐ。
「にゃっはっはっは☆入学祝にゃ★」
姿なき笑い声が響いていた。ほとんどすべての槍は地面につく前に消滅したが、1つだけ形を保ったままその場にあった。リボンに包まれた万年筆だった。
サプライズにしてはかなり命がけの行動に若干ひきつった笑顔見せたカレンであったが、万年筆は杖を振り、危険がないか調べてから、いつはの机に置かれた。
久しぶりの学校なのはカレンもそうだった。転校生として入学するいつはとは違って、結界と術式を貼るためと言うことであったが、ほのかやさきに会えるかと思って、彼女自身も若干浮き足立っていた。