長っ☆魔法生物の苦悩
魔法生物は古来より存在した。
ペガサスやヤマタノオロチ、場所、時間、大きさ、姿形、能力、人知を超える存在達だが、人と共存を選ぶもの、敵対するもの、利用するもの、様々な生物が現れては消え、消えては現れていた。今やミミズの干物のごとく、こってり絞られた、この龍もかつては魔法生物の王として君臨していた。しかし一人の少女との出会いが彼の人生を大きく変えた。元は彼の支配していた村のいけにえの1人であった。その少女は自身の爪よりも小さな生き物であったが、他のいけにえとは違いこちらに対して、問いかけてきた。それは命乞いではなく純粋な興味関心だった。「最後に1つだけ教えて。あなたは何がしたいのか」その問いかけに何千何万年も生きていた王は答えることができなかった。他のいけにえ同様その娘も食ったが疑問はいつまでも王の腹の中でくすぶり続けた。さらに数十年が経って、王は決意した。今まで食った生贄の力を合わせ1人の少女にその力を与えた。これが魔法少女の始まりである。王は魔法生物として魔法少女を助け共に戦っているうちに自分の使命を世界を守ることに捧げることを誓った。魔法少女が活躍するたびにその名声は広く世に伝わるようになった。王のもとに続々と他の魔法生物たちが集まり魔法少女が誕生していた。魔法少女が力をつけていくと、そのたびに新たな敵が現れ世界の平和を守るとともに新たな敵を生み出すジレンマに陥った。自分のやっていることが本当に正しいのか疑問に思ってしまった。はじめのうちはあくまで人間主体であったが、いつしか龍本人が魔法少女として力をふるいたくなった。戦いが激化していき、たくさんの加護を持つ魔法少女も命を落とすようになった。ついに王のパートナーであった魔法少女も力尽きてしまった。深くくいた王は魔法少女の亡骸に宿り魔人少女として戦いを終わらせた。しかしその反動で魔法少女の魂は縛られ古代魔法少女として後のように禍根を残すことになる。
「だが、愚かな私は咲さまをはじめステキな方々に出会い、悔い改め下僕として、さき様に踏んでいただくことを史上の喜びとしております。」
「話が長いんだよこの蛇野郎」
「哀れだ。」




